第14話

かぶと虫


我が家の愛犬もやっとうちに慣れ家族の一員となり、いつもの夫の定位置のソファーに我が物顔で寛いでいる。


何となく可哀想になって思いついた。


そうだ、ドッグラン!

やっと見つけた!


妻 ねぇ、こんな狭い家の中だけでは可哀想。

  走り回われるドッグラン見つけたの、行こうよ!


何故か驚いた様子の夫、


けれど車にシートを敷いて、ドッグランに向かってくれる。


ドッグランにはログハウス風の建物があって、そこで休憩できるらしい。


下調べは完璧。

日焼けもしない!


青々と鮮やかな芝生、沢山の犬


今までに聞いたことのない愛犬の嬉しそうな鳴き声、楽しみなログハウス。


妻 見といてあげてね


夫 お前も一緒に見といてあげろ


妻 無理。天気良すぎて日に焼けるから、

  よろしくね!


一直線にログハウス風の休憩室へ駆け込んだ。


少し不機嫌な夫。でも、私は日焼けが嫌い。


走り回る愛犬、必死に後を追いかけ遊んであげている夫。


何だか面白い。


もうそろそろ一時間が経とうとしていた。


夫の顔にも疲れが見えて、年齢の所為か体力の限界も見てとれる。



夫 もうそろそろ変わって




不満そうな夫、嬉しそうな愛犬



妻  .......もう帰ろっか


汗だくの夫、満足そうな愛犬の瞳がキラキラと夫を足元から見上げている。


優しく微笑む夫


夫 ……帰ろうか



来て良かった....!


何だろう不思議な気持ちになった。





























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