第13話

かぶと虫


我が家の愛犬もやっとうちに慣れすっかり家族の一員としていつも私の定位置のソファーで休んでいる。


突然、妻が言い出す。


妻 ねぇ、こんな狭い家の中だけではかわいそう

  走り回れるドッグラン見つけたの行こうよ!

    


本当に驚いた、なぜなら妻は外が苦手。日焼けするのが大嫌いだからだ。


妻の誘いで車にシートを引き、愛犬を乗せて

ドッグランに向かった。


青々とした芝生、沢山の犬


愛犬は今までに聞いたことのない嬉しそうな鳴き声をしていて、やけに興奮しているようだった。


ドッグランの中には小さなログハウス風の建物の休憩室。


妻は一目散にその中へ


妻 見といてあげてね


夫 お前も一緒に見といてあげろ


妻 無理。天気良すぎて、日に焼けるから

  よろしくね!



やはり嫌な予感は的中


一時間ほど愛犬と走り回りクタクタ、そろそろ妻にバトンタッチかな?



夫 もうそろそろ変わってくれる……


妻 .....もう帰ろっか!


なんて勝手な!

心の底からムカついたが足元にいる愛犬が嬉しそうに私を見上げる。



来てよかった……!



夫 うん、帰ろうか。



何だろう不思議な気持ちになった。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る