第15話

かぶと虫


今日は休日。お昼の炊事が面倒な感じ。


けれど一人ではなかなか出かけにくい


仕事の昼休みにだったら一人でランチにも行くけど……


渋々夫をランチに誘った。


でもなんとなく気が乗らない……


私は回転寿司が大好き。安くてたくさん食べられるから。


妻 まだ?


夫 もうすぐ


いつも支度が遅い夫


いつも私が待たされる


夫はおしゃれが好き


カーキーのパンツに白いシャツ。おまけにハット。



近くの回転寿司に行くだけなのに、馬鹿じゃないの?心の中で呟く。


昔は、私も少し出かける時には化粧をした。


けれど今では仕事以外の時はどうでも良くなってしまっている


夫 回転寿司は苦手だから、中華にしない?


妻 いつも行き先決めないのに、急に何?

  私はお寿司が食べたいの、


本当にムカつく、イライラする


用意が長い所為でもうお昼過ぎ。


時計を見ると十三時半、


私の運転でやっと着いた回転寿司チェーン


夫はシステムがあまり分からず全て私が注文。


夫はビール飲みながら食べていて、空になった中ジョッキーはもう二個


話題が無くて、少し気まずい空気。


妻 私、老後は南の島でゆっくり釣りでもしながら過ごしたいなぁ


何となく呟いてみる。


夫 何を馬鹿な事を……!インドアなお前が、

  島で釣りなんて。私は地元が好きだし、

  友達もいるし。


何気ない唯のもしも話。


けれど夫の返答にムカつく。


でも正解。私は紫外線が苦手。



三杯目のビールを追加しようとしている夫


妻 もう帰るよ


夫は飲むばかり。私が注文したお寿司も食べ切れず結局ぜんぶ私が食べた。


もうお腹が破裂しそう。


時計を見るともうすぐ十五時。


ランチは居酒屋違うんだけど!


妻  今日の夕食はお茶漬けね!

   お腹いっぱやし。お昼から飲み過ぎ!


夫 えっ……?



絶対夕食はお酒抜きのメニーにしよう。


イライラする


やはりランチは一人で行こう。


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