第4話…番外編

Jは息子の夢を見た


息子は森の奥深い祠の前で

膝を抱えて座っている

祠の周囲には出店があった

お面に風車…

おもちゃの鏡や昔懐かしいおもちゃ…

店主は不在のようだった


U…Jが駆け寄ろうとする

しかし、いっこうに距離が縮まる事はない

Jは無心に走る…息子の名前を呼びながら

幾日も同じ夢を見ては

眠れぬ夜を過ごしていたJ…


そうだ!

Jは義弟のМに連絡する

Мは既に自分は赤の他人だと…

冷淡な対応をされ、Uの最後の言葉を聞かされる

その夜、Jは浴びるように酒を飲んだ

手元に残されたUの幼少期の写真を見つめた

傍らにUの母親が倒れていた…言い争いの末に

拳でUの母親の顔面を殴りつけたのだった

Jが睨みつけ、言い放った


何もかも…お前のせいだ!

お前が義母やМを追い出そうと言わなければ…

俺やUを捨てなければ…


フラフラと立ち上がり

Uの母親の腹部に蹴りを入れ

表に出て行った


Uに会える気がする…

Jはアパートを出て

近くの深い森の中に姿を消した

深い森の奥から七色の光が放たれ

森を彷徨うJを誘っていた







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手鏡 橘しずる @yasuyoida

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