SS『もう1つの録音データ』

「ねぇ、奈々ってたまにそれ言っていいことなのかって思うようなこと言うよね」


 奈々の友達である舞と果音は、彼女がいない時に2人で話していた。


 奈々含めいつも5人で一緒にいることが多い。その中でも舞と果音は、奈々に対して最近何かしら思うところがあったのだった。


「それわかる。なんかあれが素なんだろうね。この前なんか私の目の前で友達の悪口言ってきたんだよ。怒ろうと思ったけど奈々敵に回したらいい感じに丸められて嫌な目に合いそうだからやめたんだ」


 舞の発言に果音は同感する。


「まぁ、そうなるだろうね。だってこの前だってさ、明らかに奈々が悪いのに男子のせいになって結果男子が先生に怒られてたもんね」


 男子も否定したが奈々が上手いこと言ったことにより、先生が男子の方が悪いと判断した。


「そうだ、この前のトランプのゲームで罰ゲーム決めた時あったじゃん」


 そう言って舞は、スマホを取り出した。


「うんうん、奈々が負けたやつね」


「実は録音してたの。いつか使える時がありそうじゃない?」


「おぉ~、舞ちゃん天才!」


 そろそろ奈々が戻ってくるのではないかと思い、話題を変えたその時、誰かが後ろから舞の肩を叩いた。


「赤田さん、少しいいですか?」


「おぉ、びっくりしたぁ~。天羽、どうしたの?」


 舞と天羽は、クラスは違うが、同じ委員会で仲が良かった。


 もしかして先程の会話を聞かれたんじゃないかと舞と果音は焦った。


「さっきの話、少し聞いてしまったのですが、詳しく聞いてもいいですか?」


 天羽の言葉に舞と果音は、さっきの話ってあれだよねと互いに顔を見合わせるのだった。




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【完結】学年1美少女に告白されOKしたが、その告白が罰ゲームだと知った 柊なのは @aoihoshi310

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