君と僕の異世界

つのひよこ

1、慣れないことはしない方がいい

ぱらぱらと適当にページをめくる

うーん

なんというかなぁ

主人公はチート能力を持ってて

パーティメンバーはほぼ女の子

苦戦する様子とか修行する様子とかなく

現れる敵をぼこぼこにして終わり

うーん

うーーん

なんかもっと泥臭く戦うような作品ってないの?

ないのかな

ないか

少なくともタイトルを見る限りないな

「はあ」

お父さんの代わりにラノベを買いに来て

ついでに僕もなんか買ってみようかななんて

思ったけど

少なくとも僕好みの話ではなかったな

全部を見たわけじゃないけど

取り敢えずこのお父さんが欲しがってた

『現実でもパワハラを受けていた俺は異世界転生してもパワハラを受けています〜チート能力を使って俺を下に見たやつを全員見返してやる〜』

をレジに持って行き買った

・・・

家に帰ったら相談に乗ってあげよう

主に上司からのストレスについて

結局は僕自身は何も買わずにそのまま帰ることにした

なんとなーく自己紹介した方がいい雰囲気がしたので一応しておこう

僕の名前は あずま八郎はちろう

あーあと八郎は僕が八男という訳ではなく

家系の中での八人目の男という意味だ

あとは〜えぇ、、

たぶんないな

普通だからなー僕

うん普通ですただただ

だから話す事ありません以上

あーもーだから自己紹介嫌なんだよなー

なんで人間には自己紹介という文化が生まれ「痛ぁ!!」 「うわ!」

自己紹介について考えてたら女の子にぶつかった

でもそれはラブコメのような嬉しいものでも

ここから僕がイケボで「大丈夫?怪我はないかい?」という様な展開に発展する様な物でもない

言うならば歩いたらヤンキーにぶつかった

そんな感じである

「へぇあたしにぶつかるなんてあんた中々度胸があるーーーーーあ、八郎じゃない」

と言うのは最近僕からの評価がガタ落ちした

夢見ゆめみるな一応幼なじみだ

小さい頃のこいつは本当に可愛かった

一応初恋?の様なもんである

ちなみにフラれた   「ちっなんでここに」

そして目の前もう1人の子が告白してOK貰っていた

齢5歳で経験する脳破壊である「…ねぇ」

しかも目の前でキスもされたよ

周りからはひゅーひゅーだがなんだか囃し立てられていたが僕の心のロウソクはヒューと吹き掛ければ今にも消えそうだった「おい」

お今のうまくね?

やかましいわ

そんな中なぜ急にこいつの評価がガタ落ちしたかと言うと「おーーーーーーーい」

『うひゃぁ!なんで急に大声出すんだよ』

という様な顔をする僕

「何にずっとぼーーってしてるの。え?もしかして?私とぶつかって恋でも目覚めて?ポーッとしちゃったとか?

あははは〜、、キモ」

話を戻そうか

まあ言うまでもないがこの口調と素行の悪さが

評価を下げた理由だ

口調はある一定の層を喜ばしそうなこの口調だ

元々こんなんではタイプではなかったが

小学校高学年からこうなった

小学校高学年、、それは子供の中では大人への一歩を踏み出す時期であり

結構性格だったりいろいろ荒れる時期である

特に小6はやばい

あと一年で中学という希望にまみれちょっといいかも、と思った相手と付き合って

陽キャになり人を見下す様になる

そうこの目の前の女みたいに

あと僕は陽キャになると人を見下すと思っているがそれは人による

少なくとも僕の周りの陽キャ人を見下しているからそう思っているだけだ

まあ隠キャも人を見下すけど

続いて素行だが

先生にはタメ口

自転車は2ケツでノーヘル

そして雑に人を扱い弄りおもちゃのして遊ぶ

以下の理由で苦手だ

いじりに関してはまあ友達と友達ならいいけど

こいつの弄りは

『おもろい事ないな、あそうだこのゴミで遊ぼう』

そんな感じがする

ちなみに今こうやって適当に考えてる間も

この子の言葉の刃は続いてる

まあ全部聞いてないけど

「はあこっちが毎日いじってあげて人生楽しくさせてんのになーんで感謝もなしにずっとこっち睨んでるの?

もう話す事もないなら帰ったら?」

お前がずっと話してるから帰ってないんですよ?

途中で帰ったら帰ったでめんどくさいからね?

だけどまあ帰れるんなら帰るか

さっさと歩いて帰ろ

ーーーーといつもの僕なら帰ってたろう

けど今日は帰らない

なんでかっていうとイラついてるから

今日は特に

今までの事を思い返したからかも知んないけど

「なぁ」

「?」

月は少し驚いた様子でこちらを見ている

「お前、、なんでそんなに人を見下してるの?」

「はあ?」

「なんだよ不満か?実際そうだろさっきも言ったろお前『いじってあげてる』って

俺がそんな事頼んだことあったかよ」

「実際そうじゃないあたしのおかげであんたクラスで馴染めてるの」

「人1人を貶して落としてのとこになんか馴染みたくないね」

「はぁ?まじで何言ってんのこれだから隠キャは浮くんだよクラスで」

「別にクラスで1人になることは悪じゃないだろ

そうやってまた1人を下に見てるから、、いつか絶対痛い目見るぞ?」

「今まで13年生きてきて痛い目なんてあったかしら?そんな事逆に起こって欲しいくらいよ?」

ああ

「こんーな子を産んだご両親は本当にかわいそう」

だめだ

「ご両親の顔が見てみたい」

本当に

「ああ失礼、お顔見たくても」

本当に

「お母さんの方は」

本当に

「ーーーー見れないんでしたっけ?」

こいつだけは無理だ

月の最後の言葉を聞き俺は目の前の首を絞めながら前の倒れた

場所を構わず

例えトラックが走り飛び込んでしまえば一瞬で引かれて死ぬようなところでも構わず

歩道と道路の間には一応フェンスがあるけど

それすら飛び越える様な勢いで僕と月は飛んだ

今の感情のままに

そうして飛び込んだ末路はわかってるだろ

右側から強い衝撃が走った

僕らの体は吹っ飛び

どこかの地面に転がり込んだ

けど意識は持たない

身体中が痛い

周りの声が聞こえない

もう1人の方もそうだ

動かない

俺はその様を見ている

ああおわった

死んだとしても生きたとしても

おわった

おわった

ああもう

慣れたことはするもんじゃないな









































ますか!えますか!こえますか!

「きこえますか!」

目が覚めて広がる光景は知らない天井だった

ところどころが金色で普通の病院とは思えない

「大丈夫ですか?意識はありますか?自分の事わかりますか!」

「うあぁあぁ、、、、はい」

手を動かす

動く

足を動かす

動く体を起こす

起こせる

僕の体はついさっき事故に遭ったとは思えない体だった

なんでだ

いろいろ考える前に俺の周りではバタバタと話が進んでいた

「国王陛下、国王陛下、異世界から召喚した人間が目を醒めました!」

国王?

声のする方を見ると

それはそれは立派な髭を蓄えたゲームとかに出てくる王様がいた

ゲームから出てくる?

、、

、、、

、、、、

、、、、、

まじか

まじなのか?

「うーん」

「あもう1人の方も!」

もう1人?

左を見るとそこには夢見月がいた

「はぁ?」

と思わず口に出してしまった

月の方も体を起こし周りをキョロキョロと見、そしてこちらの方を見て

「はぁ?」

と口にした

そんな僕らを見て国王が口を開いた

「単刀直入に言う、

世界を救ってくれ」

その言葉を聞き僕たちは1、2秒後に

「「はぁ?」」

と口を揃えた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君と僕の異世界 つのひよこ @hiyokotuno

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ