これから気をつけて欲しい事

「貴方が約束の人・・・・」

「そーそ、そゆこと」

森を抜け、明るい日差しが差し込む。

さっきまでの暗さに慣れてしまったので、日の明るさには眩しさを感じる。



ヒヒーン!


「さあギルドに着いた!急いで中に入るぞ!皆待ってるから」


(皆もう戻ってたのか・・・・)

これは申し訳ない事をしてしまった。

「すみません」

「まーま仕方ないよ」


コツコツ コツコツ

二人の足音がギルド内に響かせる。

コツン

最初の場所へと戻ってきた。

皆の視線が一斉に俺たちの方へ向けられる。


「さあ任務での収穫物の回収といきたいところなんだけど、まず皆にこれから先、気をつけて欲しいことがある」


姫期さんの表情が険しいものに変わる。

「1ノ刻が出現した」

簡潔な一言の筈なのに、重圧を感じさせる言葉だった。

辺りがざわざわする、歳が古い魔術師とは反対に

若い魔術師は、あまりピンと来てない様子。


「軽く説明すると、刻達は呪怪の親玉的存在であり、呪怪を任意に生み出す事が可能なもの。こいつらがいる限り呪怪は無くならないと断言しよう」

全員がさらに動揺する。


「しかも厄介なのは、特定の時刻の時に大幅強化されること。例えば今回現れた1ノ刻だったら1時00分から1時59分までの時間帯。強化された呪怪は私でも倒せるか分からない。だから弱い君達は、刻を見つけたら近寄らず、私に報告すること!

そしたら私がなんとかする。以上!」


皆が刻の驚異を心に刻んだ顔つきだった。


「・・・・・」

俺は一度襲われた身。あの記憶恐怖はもう体に染み込んでしまった。

もし姫期さんが現れなかったら・・・俺は。


死んでいたかもしれない。



「さぁて真面目な話の次は私の食事の時間だぁ♪さぁ皆!手にいれた呪核を私に」

彼女のその一言で、さっきの固い空気が一気にほぐれる。

せっせっと持ち運ばれてくる呪核にわくわくする子供。

最終的には

高い天井に届きそうな程にドドンっと積み上げられる、呪核。

彼女は少し予想外なのか、少し引いている。


「ま・・・まあ1ノ刻がいたから・・・ね。仕方がないよ・・・ね」

早速一つの呪核を手に取りむしゃりと頬張る。

皆はそれを珍しそうな視線で見守る。

この幼女こそが約束の者・・・この光景で信憑性がぐっと上がる。


次々と小さい手で取りもぐもぐと口に運ぶ姿は、とても子共らしくて。

(可愛いなー)

と無意識に思う

事にん?と首を傾げる。


どうやら・・・・・・・・弓魔術師のエリース・トマリトは、今理解不能な気持ちが生まれたようです。

















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

呪怪の檻 bbキャンセル君 @aiumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ