第3話 無双
N……ただのナレーション
————————————————
N
「
御影
「
俺大学まで2時間かけて通ってたし、お前の家大学から30歩だし」
期輝
「30歩は嘘すぎワロタ」
N
「全く笑っていない顔で期輝は公園のベンチへ歩いていき、御影もそれに続く。
ベンチに座ると、期輝は語り出した」
期輝
「僕の黒歴史の話するんだけど、僕さ、中学から大学まで友達1ミリも居なくて。
御影が奇声あげながらぶつかってくるまで友達居なくて。
原因が小5の時に厨二病こじらせて、無双ショタにハマってたからなんだけど。
僕は10歳までは無敵だったけど敵との戦いに敗れて力を失ったって設定で生きてたんだよな。ワロエヌス」
N
「珍しく、感情の自己申告と表情が一致している期輝」
期輝
「そんで、校区内から遠足以外で1歩も出た事無いくせに学校外に無二の親友が居るって事にして周りとの交友関係切りまくってたら中学からボッチ」
N
「普段から死んだ魚の目をしている期輝の目が、いつにも増して死んでいた」
御影
「俺と同レベルに痛いな……」
期輝
「うん。まぁなんか、設定に忠実な世界っぽいし、その影響で唯一の友人である御影の家の傍に来たっぽい。
昨日引っ越してきた。
って事で、設定通り親友って事でヨロ」
御影
「あっはいよろしくお願いします。
ちゃんと覚えてないけど俺も設定上は親友かなんかいた気がする」
期輝
「それ絶対居ないやつだろウケる」
N
「なんて話している時、目の前の土が持ち上がり、
御影
「ファントム!」
期輝
「何それ」
御影
「俺が敵として設定した怪物! 画力無さすぎて靄がかった影の塊になったやつ!」
期輝
「ウケる」
御影
「ウケてる場合じゃないって! 俺まだ能力覚醒前だし、ファントムは能力者じゃないと絶対倒せないし、一般人なら設定上は触れられるだけで死ぬし!
設定ガバだから触れられても死なない時とか有るけど!」
期輝
「なるほど。つまり僕の出番って事だね」
御影
「話聞いてた!?」
期輝
「そっちこそ聞いてなくて草。僕、設定上無双ショタなんだよね」
N
「
指先から、キラリと光る何か——糸が伸びていて、期輝が着地すると同時に、ファントムはバラバラに切り刻まれた」
御影
「す……すげえええええ! 設定上俺でもファントムを瞬殺できるようになるのは16の時なのに!」
期輝
「謙虚な厨二病で草」
御影
「俺の設定だいたい謙虚。多重人格設定も有って無いような物だから多分もう二度と出てこないと思う」
期輝
「ガバじゃんウケる」
N
「2人が2人なりに盛り上がっている隙に、切り刻まれたファントムの形が崩れ、地面に吸い込まれて行った。
人生2週目。謙虚な厨二病だったせいで初無双を無二の親友に取られました。」
【朗読台本】人生2週目、黒歴史を消し去ろうと思ったのに黒歴史の方がこっちに来ました 空花 星潔-そらはな せいけつ- @soutomesizuku
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