3

自分の身勝手な行動が、こんな結果をまねいたことを深く反省しました。そして、もう二度と身勝手な行動はしないと誓ったのです。


 コンタは、きゅーん きゅーんっと。網の中で悲しい声をあげて泣きました。


「だれもぼくを助けてくれない! ぼくは人間に食べられる運命なんだ!」


 そうおもうとコンタは再び悲しくて何度も泣きました。




「誰だ、上で泣いてるのは!?」


 その時、下から他の動物の声が聞こえました。


『ここです! ぼくを助けて下さい!』


 コンタは無我夢中でそのことを言いました。


「なんだおまえ、そんな所にいて? まさかあの青い小鳥の嘘に騙されたのか?」


 コンタは下にいる動物に答えました。


「そうです! ぼくはあの青い小鳥に騙されました!」


 コンタがそう言うと、下にいる動物は一言いいました。


「あの小鳥はな、見かけよりも中身がズル賢い! お前も次からはあの小鳥に気をつけるんだな!」


 下にいる動物はコンタにそう言うと、木の側に近づき。尖った爪でロープを切りました。下に落ちてコンタは地面に尻餅をつくと網の中からすぐに逃げ出しました。


「じゃあ、次からは気をつけるんだな!」


 コンタが後ろを振り向くと、そこには見たこともない動物がいました。自分よりも大柄な体型の動物に、コンタは思わず怯みました。


「あなたはだれですか?」


「おれはオオカミだ! おまえみたいな小さい動物を食べる悪いオオカミだ!」


 オオカミがそう言うとコンタは一瞬とまどいますが、直ぐに彼にお礼を言いました。


「オオカミさん、ぼくを助けてくれてありがとう!」


 コンタがそう言うと、オオカミは少し照れました。


「あぁ、二度と人間の仕掛けた罠に捕まるなよ?」


 オオカミはそう話すと側から離れて、のそのそと歩きながら深い森の中へと消えて行きました。コンタはオオカミが森の奥に消える姿を確認すると、自分も母ギツネが待っている森へと帰って行きました。



-おわり-

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狐と青い小鳥と狼 成瀬瑛理 @face52

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