第5話 時計への願い事

異変に気づいているのは僕ら5人だけだ。僕は脳内で情報処理する。たぶんこの教室の生徒の中に異世界ダークサイドからの生徒が紛れている。新学期のクラス替えを利用して学校侵入はダークサイドがよく使う手だ。みんなには内緒だが僕は“虫”虫の知らせ。虫ケラ。半分ダークサイド側だ。“魔眼”はダークの力だ。僕は魔眼で教室を見た。“いた。”1番前の席、桐生が振り向いた。『小宮山、仲間だろう。』ニヤッと笑った。桐生か、去年はいない生徒だ。『桐生、何を企んでいるんだ。いや別に僕は呼ばれたから来ただけさ。』『ダークサイドなんか誰も呼ばないよ。』『真田に呼ばれた。』『女子の真田さんか。おとなしいそうな子だな。それで。』『あまり教えたくはないが、小宮山、お前はダーク側だから教えてやるよ。真田が時計に願ったんだ。5年生になりたくないって。4年生に戻してって。理由を聞いて、これが笑える。単純に年を取りたくないってさ。ただそれだけ。こっちから見れば人間なんてどうせ短い命。短い時間。4年生でも5年生でもこちらから見れば全然違わない。しかも真田は4年生に戻れるならこのクラスのみんなを”あげる”って条件付きだ。もう、最高ーってしか言えない。自分さえ良ければ。他の子の命さえ関係ない。あーこわい。まさに真田はダークサイドにふさわしい人間だ。』僕は桐生に『だからと言って異世界へ連れて行っていいとは限らないぞ。』『小宮山は真面目だな。ダークサイド側なのにおかしいぞ。』『桐生、僕は半分ダークサイドだが異世界への誘拐は許さない。』『まあ、いい。今夜は満月だ。異世界への入口は大きく開かれる。僕はみんなの願いを叶える良いダークサイドさ。』遠藤が『どうした小宮山?』『あー、大丈夫だ。』チャイムがなる。昼休みだ。給食後にみんなざわざわ遊んでいる。女子達はレイの周りに集まっている。女子達の声が聞こえる。「すごくイケメン。ねえ、どうしてそんなにクールなの。好きな食べ物は何?」レイは、かなりの質問攻めにあってる。遠藤が「レイ、人間界に来て正解かも。いいな。僕も女子にもてたいよ。」秋山さんが「でもきっとレイには何も聞こえてないと思うよ。全く女子に興味なさそうだし。」僕は「じゃレイを透し。えっ?」秋山さんが「どうしたの?」「今レイの脳内透しをしたら、女子達みんなカエルだっらごちそうなのに...」「えっ、」「それもどうかと思うよ。」山川さんが「レイくん、へびの時から食いしん坊だったみたい。」僕らは「はーあ。」ハモって変な溜息をついた。僕の耳に一人の女子の話が入ってくる。「ほら、教室の時計にお願いごとすると、きいてくれるってあのうわさ、本当かも。私、新学期はイケメンと同じクラスになりますようにってお願いしたの。」「えっ、ほんと?」「ほんと、4年生の終業式の日にね。まさか、叶うとはびっくり。」「へーえじゃあ、噂はほんとなのね。」「たぶん。」そう言って女子達は、”きゃあきゃあ”言っている。その女子達に真田さんが、「時計の噂、ほんとなのね。良かった。私の願いもかなうね。」「えー、真田さんのお願いごとって何?」「今は言えない。叶ったら教えるね。」「そう。じゃあ、その時、教えてね。」僕には真田の心の声が聞こえた。「私の願いが叶うとき、残念だけど、あなたたちは、この世界にいないわ。」ニヤッと不気味な笑みを真田さんは浮かべた。その瞬間、僕と目があった。真田さんが気まずそうな顔をして僕に背を向けた。このままだと真田さんはダークサイド桐生に連れていかれる。心がダークサイドになりかけている。僕は”時間を止めた。”転生組、桐生、以外みんな止まっている。「桐生、君に恨みはないが、見過ごせないよ。」みんなもそうだな、神様ダルの頼みもあるし、「桐生悪いが君には人間界から出てって行ってもらうよ。僕らは最大限の力を放出し、桐生を時計の中のダークサイド側の異世界へ封じ込めた。これでしばらくダークサイドからの刺客は来ないだろう。”解除”時間が動き出す。僕は真田さんに4年生に戻りたい?「いいえ、このクラス5年生も楽しそう。戻りたくなくかないよ。小宮山くんって変なこと聞くのね。」「あー、ごめんごめん。冗談だよ。」僕ら5人は顔を見合わせた。何とか神様ダルのミッション成功だな。チャイムがなり午後の授業がはじまる。


学校の教室の壁の時計は毎日ずーっと誰かに見れれている。

授業中。休み時間。テスト中。チクタク時間は進む。

時間はこの人間界では一方通行。

不可能を可能に。

教室の時計にお願いごとすると叶いますよ。

そんな、噂があるようです。”虫”さんより



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教室の時計は異世界時計 京極 道真   @mmmmm11111

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