2199年:ボトルメール号の旅
横溝照之 あんどイーニしゅまペ
ボトルメール号の末路
お話をしよう。
青い惑星、地球。時は西暦2199年。人類は自称:「究極に達した」。つまり全ての謎は解き明かされ、科学の進歩は100%に到達し、人類にやる事はなくなった。
その記念として、人類は宇宙船:ボトルメール号を創った。
宇宙船はボトルの形をしており、あるメッセージを内部に仕込んでいた。人類が伝えたいのは:「地球の文明を一目見にいらっしゃい!」だった。自慢の類さ。
そして無事にボトルメール号は出来上がって、宇宙という海に飛んで行った。
それから何百年。隕石に運悪くも衝突したボトルメール号は軌道が狂い、真っ逆さまの方向、つまり地球に落ちていった。ウラシマ効果で地球の年は倍の倍。およそ一万年以上は経過していた。
そしてついに、ボトルメール号は地球に落下した。宇宙船が波に流されて岸辺にたどり着くと、裸の少年が不思議な顔をして歓迎してくれた。
興味深々に鋼鉄のボトルを覗いてみたが、少年はチンプンカンプン。しかしその形に惚れて、同じような物を粘土で再現しようとした。やがてそれは便利であると少年は理解して、後に彼は、人類初の土器を作り上げた。
少年と、その一族はボトルメール号を信仰した。
だが宇宙船のメッセージが理解されるのは、ここから十万年後のお話さ。
2199年:ボトルメール号の旅 横溝照之 あんどイーニしゅまペ @EnigShuMaPe
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