第4話 親友の彼女と二人きり
「おい! なんだよ急に!」
強引に屋上まで連れてこられた俺。
琴乃に端っこまで引っ張られる。
「ふう。ここなら誰にも聞かれないわね……」
「え? 誰にもって……?」
こんな展開、ゲームにはなかった。
真剣なまなざしで、俺を見つめる琴乃。
「おいおい……いったいなんだよ」
琴乃はどんどん身体を近づけてきて、俺をフェンスまで追い詰めた。
「えーとね、あたし、誠一に言いたいことがあるの」
「言いたいことって……」
(まさか、これって……あれ、か?)
「いや、俺は親友を裏切れな——」
「サプライズしたいの!」
「さ、ぷらいずぅ⁉︎」
俺は驚きすぎて声が裏返ってしまった。
「ほら、もうすぐ世海の誕生日でしょ? だからサプライズしようと思って」
「あはは……そっか、そういうことか」
「? なんだと思ったのよ」
「いや、なんでもない」
てっきり告白かと思ったぜ。
——ずっと誠一のことが好きだったの……とか、そういう感じのが来るかと。
「何かプランがあるんだな?」
「ないよ! 誠一が考えてよ」
「おいおい。そこは彼女の琴乃が考えろよ」
「誠一は世海の親友でしょ? それに同じ男の子だから、男の子が喜ぶことわかるでしょ?」
男の子が喜ぶことか……
ダメだ。さっきからそっちのことばかり考えてしまう。
「とりあえず、プレゼントを買わないとな」
「じゃ、放課後一緒に買いに行こうよ!」
「それはちょっとな……」
「嫌なの?」
男女二人で買い物に行くのは——デートだろう。
しかも、世海に黙って行くんだ。
何か間違いでもあったら……いや、間違いなく何か起こるに違いない。
だって俺は、このゲームの「竿役」なのだから。
「いいでしょ! 協力してよ!」
「今日は用事があったな……」
「断り文句キタ! でもバレバレだからね。今日は用事なんかないでしょ。部活も予備校も休みだし、おばさんたちもいないでしょ」
「……お前、怖いわ」
「じゃ、決まりね! 放課後、裏門の前に来てね」
ずいぶん強引に、放課後のお買い物が決まった。
デートイベントってやつ……なのか?
何も起こりませんように。
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【★あとがき】
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転生したら推し声優の息子だった件〜どんなことでも褒めてくれる過保護な推しに溺愛されて、将来ダメな大人になりそうです〜
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親友に幼馴染の彼女を寝取られて心が壊れた俺は、闇のダンジョン配信者となる。迷惑配信者を討伐していたら、いつの間にかバズりまくっていた
不意打ちNTRを絶対に許さない男が、不意打ちNTRエロゲの竿役に転生した件。ヒロインから離れようとしても、ずっとくっついてきます〜 水間ノボル@『序盤でボコられるクズ悪役貴 @saikyojoker
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