草むしり
庭に出て、草むしりをしている時だった。
「水野くんは、あの人のことをどう思ってるの?」
唐突な質問にボクは戸惑った。
「どう、って。雇い主だけど」
「あの人、おかしいよ。こんなことさせるなんて」
やっと服を着た牛河さんが隣で草むしりをする。
ボクは割と扱いになれているため、せっせと草を毟っていくが、牛河さんからすれば屈辱的なのだろう。
口を尖らせて、ぶつくさ言っていた。
「まあ、慣れだよ」
「せっかくの夏休みなのに」
ボクからすれば、食っていけるだけありがたい。
少ないけど給料は貰えるし、ボクはそこまでミサキさんが嫌いではなかった。
「……とりあえず」
どう転がるかはわからないけど。
ミサキさんのご機嫌取りをしながら、食べることを考えていくしかないだろう。
ボクは草に鎌の刃を当て、地道に刈っていった。
ボクのご主人様 烏目 ヒツキ @hitsuki333
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます