第303話 恭介くん以外にモテても関係ないから

 みおの部屋で5人でエッチしたのは本当に天国だったけど、ある意味では本当に大変で……幸せなんだけど死ぬかと思った。

 みんな本当に魅力的だから、そもそも一人相手でも一晩止まらないのに5人相手にして止められるわけがない。準備してあるんだろうなとは思ったけど、いつぞやの誕生日パーティーで陽菜がさちえさんにプレゼントされたあの業務用コンドームの箱をもう一度新品で見ることになるとは思わなかった。


「おはよう、恭介くん。朝ごはん出来てるよ」

 もうお昼近い時間になって陽菜にキスで起こしてもらう。みんな浴衣から私服に着替えていた。

 陽菜が家から俺の服を持って来てくれていたので俺も浴衣で帰らなくていいみたい。

 何も考えてなかったけど昨日の夜が祭で今日浴衣で家に帰ったら、祭りの後にワンナイトして朝帰りしてる感満載だから男子としてはめちゃくちゃ注目されたかもしれない。


 ちょっとボーっとしながらブランチというべき遅い朝食を食べる。みんなつやつやしてて凄く楽しそうにワイワイご飯を食べている。

「たまにはキングサイズのベッドでのびのびみんなでエッチするのも楽しいね。全員で横になっても寝れちゃう広さなのは本当に凄いと思うわ。恭介さんは寝れないかもしれないけど」

「そうだな、陽菜ちゃんの家で狭いでくっつくように寝るのも楽しいが、広々としたでみんながそばにいるのを感じるのはいいものだな。恭介は寝させないが」

「あーしもキングサイズに変えた甲斐があったよ。スプリングもバツグンでなんていうか突かれてて凄く良かったし。恭っちも一晩中だなんてタフだよね~」

「まるは毎日ここできょーちんとみんなと暮らしたいんだよ」

「みんな……分かってると思うけど昨日のは特別だからね!? こんなの毎日してたらいくら恭介くんがタフでも死んじゃうからね!」


 ……


 幸せだけど高校生で腹上死は考えたくない。陽菜が賛成に回ったらどうしようかと思ったよ。

「俺も毎日でもこんな生活したいけど、俺たちはまだ高校生だからちゃんと学生生活を送らないと。

 俺たちは部活で推薦目指してしずくは生徒会長、みおは文芸部部長と卒アル委員、陽菜は……まあいいとして、全員でこういうことをするのは月に一回くらいにして他の日はローテーションで陽菜の家にお泊りにしに来るとか決めてもらった方がいいかな」


 俺がそんな風に提案すると、一番エッチな俺に言われるなんて……みたいにみんなが失礼な感想を口にしていた。もう、お互い様でしょ!

 その後は喧々諤々の議論が巻き起こって、月一だと万が一その日が生理に当たった子が可哀想だから月に2回にしようという提案があって、それは妥当な理由と思ってしまったのが敗因だった。

 月2回、金曜日の夜からみおの家に集合して日曜日の朝までみんなでお泊りすることに決まった。

 月に一晩でも夢のような時間のはずが、月に4晩ほどあるんですけど大丈夫かな俺。




 長かった夏休みが終わり明日から二学期が始まる。二学期のメインイベントは学園祭が待っている。

 しずくが生徒会長として開催することになる学園祭。しずくのためにも盛り上げてやりたい。


 夏休みの後半も本当に忙しかった。花火大会の前にしずくとのどかと陽菜を連れて石動さんの大学まで剣道の出稽古にも行った。ゆうきと村上のために久しぶりの恭介Pとしてプロデューサーのお仕事を頑張った。

 俺はこの夏を一生忘れないだろう。





「多々良くん、この問題ってどう解くんだっけ?」

「ちょっと待てって、俺が先に質問してたんだから」

 二学期に入るとついに俺にも念願の男友達が出来ました! パチパチパチパチ♪

 いや~、男友達が出来るまで長かった。ゆうきは親友だから別格として木下くんと皆川くんという男子2人が普通に話しかけてくれるようになった。


 あの生徒会長選挙のおかげだったりする。男子生徒と女子生徒の仲を良くしようという俺の生徒会選挙の方針は多くの男子の心を動かしたのだ。

「多々良くんの選挙戦から女子からのセクハラが減ったし、多々良くんがたくさんの女子とエッチしまくってるなんて嘘だって分かったからね。あんな噂に踊らされていた自分が恥ずかしいよ」


 木下くんがそう言ってくれるが、数日前の夜5人の女の子相手にエッチしまくっていたのでちょっと背中に汗をかいてしまう。

 しかも、このクラスのみならず全校でも存在感も人気も上位の女子5人だしなぁ……バレたらまた村八分かも。


 当然のことだがクラスのみんなには「俺が付き合っているのは姫川陽菜」ということになっているので、他の4人と関係を持ってしまったことはナイショだ。

 幸い陽菜以外のみんなとの初体験は全部夏休みに入ってからだったので、みんなの直後の変化には気付かれていない。


「それにしても生徒会長と藤岡さんって最近すごく綺麗になって艶々つやつやしているよね。それに前よりもなんだかすごく仲良くなってない?」

「あ~、分かる。の中で恭介くんと陽菜ちゃんがくっついちゃったから慰め合ってるうちに幼馴染で恋が芽生えちゃったとか?」

「それを言ったら小烏こがらすさんとまるちゃんよ。あの2人が夏休み明けから毎日部活も休みの日も一緒なんだって……やっぱり失恋の痛手を女の子同士で……」


 俺が口出しできない女子の中の噂でしずくとみお、ひよりとのどかがそれぞれ付き合いだしたんじゃないかとまことしやかに囁かれるようになってしまった。

 なんだか申し訳ないなぁと思ってしまうが、そこでみんな俺と付き合ってるからと公表するわけにはいかない。

 俺が複数の女の子と愛し合ってるなんてバレたら性欲だけでそこに加わりたいなんて女子も現れかねないし。


「いいんじゃない。私にしたってみおちゃんとの噂のおかげで変な声がかからないわけだし……恭介さんも私が失恋してフリーだって噂が流れて男子から告白されまくるなんて流れは望んでないでしょ?」

 噂されている張本人のしずくは涼しい顔。確かにしずくが告白されてるって思ったら受けるはずがないって分かっていてもちょっとソワソワしちゃいそうだけど。


 しずくは元々男子にも分け隔てなく接して優しいから委員長モードからお嬢様モードになった時点で人気がブレイクした。


 みおはこの前の生徒会選挙で俺の応援のためにギャルモードを一時的にやめて清楚モードで男子の恋愛相談に乗っていた。恋愛相談してた女子相手に男子が恋するっていうのはこの世界貞操逆転世界でもよくある話だし。


 ひよりは俺に対しては初対面で子種をねだったりしたが、他の男子に対しては常に真面目に向き合い心無い女子からも守っていた。

 逆転して考えるとそういう女子を守ってくれる紳士的な男子のことを好きになっちゃう女の子って多いよね。だから告白されたりとかはあんまりなかったけど裏では男子から人気があった。


 のどかは……中身はそれなりにエッチで正直な女の子なんだけど何しろあの天真爛漫で裏表のないところは男子に安心感を与えるし、怖くない女子ということで人気がある。


 そして、俺の恋人の陽菜は俺と付き合ってなければ……と多数の男子が悔し涙を流すほどモテてた。俺と付き合ってるふりをしていた頃の初心な様子や、男に対しても決してセクハラや欲情した目を向けない(当たり前だ、陽菜の感性は元の世界のものだから)控えめなところが可愛さと相まって実はモテまくっていたのだ。


 俺と仲良くなる前は「エロ師匠」とか「肉食」の噂が付きまとって敬遠されていたのに今は陽菜の性格の良さが全校にバレちゃってるから。

 俺が付き合ってるふりをしたり、実際に付き合ったおかげでモテたというのが皮肉だけど陽菜にもモテキが来てるらしい。


「恭介くん以外にモテても関係ないから気にしなくていいよ」

 2人でエッチした後で陽菜のベッドでみんながモテる話をしていたら陽菜がそう言ってキスしてくれた。

 陽菜は俺の腕の中にいるときが一番可愛いと思う。そんな陽菜を独占できるんだから俺は幸せ者だ。


「他のみんなだってもう恭介くん以外目に入らないから。恭介くんが辛かった時も一緒にいてくれたみんなだよ。他の人なんて眼中にないから」

「陽菜にそう言って貰えると安心するな。なんでだろう?」

「う~ん、多分恭介くんの中にヒナちゃんに裏切られたっていうトラウマがまだちょっと残っちゃっててみんながモテるって聞いたら少し不安になっちゃうんだとだ思うよ。だからみんなが恭介くんだけを見てるって信じられるようにしてちゃんと安心できるようにするからね」


 そうだね。陽菜だけいればいいって思っていた夏休みに入った頃の俺はもういない。

 みんなと一緒にみんなで幸せになりたいって思う。ハーレムなんて作らないと思っていたけど、今の俺は幼馴染を寝取られたけどこの貞操逆転世界でみんなと一緒にハーレムを作って幸せになりたいと思うんだ。


 ちゅっ……


 陽菜の方からキスをしてくれて俺たちはもう一度一つになった。

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 ちょっとした小話


みお「第1回、陽菜ちゃんちお泊り会議~!!」

パチパチパチパチパチ

恭介「ちょっと、光画部部室でみんな集まってなんてことしてるんだよ」

みお「いや、3年生ももう出てこないし今日は配信日だからゆうかも忙しいし、ここが一番誰にも聞かれずに話せるっしょ?」

恭介「確かにそうかもしれないけど」

みお「それに生徒会長のお墨付き!」

しずく「お墨付きにした覚えはないけど生徒会室でするわけにはいかないから認めます」

恭介「職権乱用!? 風紀委員長! 風紀委員長はこの風紀の乱れを放っておいていいの?」

ひより「今の私は恋する乙女だから」

恭介「どこからツッコんだらいいのか分からないよ」

みお「いつものようにセックスツッコむのは陽菜ちゃんからでいいんじゃないの?」

陽菜「みおちゃん!? お泊り順の話をするんだよね? エッチの順番の話をするんじゃないんだよね?」

みお「硬い話はいいっこなし。硬いのは恭っちのおちんちんだけでいいから」

まる「おちんちんが硬いのはいいことなんだよ」

陽菜「まるちゃん!? お泊り順決めるのはやる気なかったのにおちんちんの話にだけ食いつくのはどうなの?」

みお「……ということで月曜日から木曜日までは1人ずつ陽菜ちゃんちに通って、金曜日土曜日は2人ずつ、日曜日は陽菜ちゃんが独占ということになりました。

 金土については月に2回はあーしの部屋でお泊り会6Pセックスってことで決定~!」

パチパチパチパチパチ

恭介&陽菜 (今の会話の間にどうやって決まったのかが全然分からない)


 という会話が文芸部室で繰り広げられたとかなかったとか。




タイトル回収しました。文章タイトルそのままだと言葉としておかしかったのでちょっと改変しちゃっていますけど。

ここで最終回でもいいんですがあと3話お付き合いください。なんだか毎話最終回!


※292話に登場する陽菜探偵団バッジのデザインをいただきました。

こちらの近況ノートにありますので是非ご覧ください。素晴らしい出来で作者は感動しています。

https://kakuyomu.jp/users/badtasetedog/news/16817330664939017411


 毎日18時に最新話公開中

 次回更新は10月9日です。

 最終回まであと3話!

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