第二課題

神原

第1話

 第二課題は起承転結は置いておいて、場面を書くとの事で前後合わせて800字。なんとか書けた。私にはこの課題はちょっと難しかった。なかなか最後辺りが思いつかない。


 さあ、回答と言うかどう言う指摘がされているか見に行こう。


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 タクシーが止まる。私はドアが開くと彼女と共に車を降りた。ホテルへ一歩踏み出す。どくどくと鼓動が早くなる。元カノと一夜を共にする。思い描いていた事だったのにその時が来ると思ったら妙に緊張してきた。


「ダブルの部屋を予約した白木です」


 名前をフロントが確認する。ポーターには荷物がない、部屋なら分かると断った。私は彼女の手を取る。汗ばんでいる掌が彼女の心を代弁しているかの様だった。ごくりとつばを飲み込む。彼女以外の物が目に入らない。


 お酒が入った後だからか、彼女の頬が赤い。彼女の髪から良い匂いが漂う。その香りに私の理性は消えていく。


 一夜限りの過ちと言うよりは、一回だけの夢だった。彼女の手を引いてロビーを横切る。エレベーターのボタンを押すと、彼女の手に微かな震えが走った。これからの事を想像しているのかもしれない。


 やがてエレベーターが降りてきた。私は無言で彼女を内部へと導く。春先だと言うのに体温で蒸し暑く感じる。ドアが閉まるとゆっくりとエレベーターが上昇を始めた。お互いに無言が続く。エレベーターが停止した時、私はぎゅっと彼女の手を握りしめた。彼女が手を握り返してくる。そして、部屋へと向かったのだった。




一夜がすぎる。




 先にチェックアウトすませる。観葉植物が目に入る。何気なしに辺りを伺った。

彼女とは一回限りの付き合いだった。それでも罪悪感がつのる。入る時とはべつのどきどきが心を満たした。


 彼女の声や唇の感触がよみがえる。手に入れたい。そんな感情が湧いた。


 子供はどうする? 旦那はどうする。罪悪感よりも執着が勝る。度胸も度量もない私が再び彼女と付き合う事など出来ない事は分っているのに、そんな妄想が浮かんできた。


 頭を振って想像をかき消した。しっかりしないと。そう思いながら私は玄関へと向かう。


 自動ドアの前に立ち、開くのを眺める。風が私の体を抜けていった。後ろ髪を引かれる思いで私はホテルから一歩を踏み出した。



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改稿してみました。情景描写で心情を表せるそうなのですが、私にはまだ無理かもしれない。


文字数はまだ500字残っているけれど、ここいらへんが今の私の限界かも。


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 タクシーが止まる。私はドアが開くと彼女と共に車を降りた。夜空に星が広がる。腕時計を見ると22:00時を廻っていた。ホテルへ一歩踏み出す。どくどくと鼓動が早くなる。元カノと一夜を共にする。思い描いていた事だったのにその時が来ると思ったら妙に緊張してきた。


「ダブルの部屋を予約した白木です」


 名前をフロントが確認する。ポーターには荷物がない、部屋なら分かると断った。私は彼女の手を取る。汗ばんでいる掌が彼女の心を代弁しているかの様だった。ごくりとつばを飲み込む。


 彼女の視線を追って、観葉植物に目がとまった。彼女の瞳が廊下へと向いている。背徳感からか私の顔から目を逸らしている。


 お酒が入った後だからだろう、彼女の頬が赤い。彼女の髪から良い匂いが漂う。その香りに私の理性は消えていく。


 ホテルのねっとりとした空気が私達を包んでいた。一夜限りの過ちと言うよりは、一回だけの夢だった。


 彼女の手を引いてロビーを横切る。エレベーターのボタンを押すと、彼女の手に微かな震えが走った。これからの事を想像しているのかもしれない。


 やがてエレベーターが降りてきた。私は無言で彼女を内部へと導く。春先だと言うのに体温で蒸し暑く感じる。ドアが閉まるとゆっくりとエレベーターが上昇を始めた。お互いに無言が続く。エレベーターが停止した時、私はぎゅっと彼女の手を握りしめた。彼女が手を握り返してくる。そして、部屋へと向かったのだった。




一夜がすぎる。




 9:-00時頃のロビーは閑散としていた。先にチェックアウトすませる。昨夜見た観葉植物が目に入る。何気なしに辺りを伺った。


 彼女とは一回限りの付き合いだった。それでも罪悪感がつのる。入る時とはべつのどきどきが心を満たした。


 彼女の声や唇の感触がよみがえる。手に入れたい。そんな感情が湧いた。


 子供はどうする? 旦那はどうする。罪悪感よりも執着が勝る。度胸も度量もない私が再び彼女と付き合う事など出来ない事は分っているのに、そんな妄想が浮かんできた。


 頭を振って想像をかき消した。しっかりしないと。そう思いながら私は玄関へと向かう。


 自動ドアの前に立ち、開くのを眺める。風が私の体を抜けていった。後ろ髪を引かれる思いで私はホテルから一歩を踏み出した。


 自動ドアの向こうは騒音が溢れている。日の光が眩しい。往来する人々の目が気になった。足が自然と速くなっていた。






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第二課題 神原 @kannbara

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