第7話 最初のボス戦

 すぐさま鑑定を行う。


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名前: アタランテ

種族:幻獣人

LV: 253


MP:39480

STR:19020

VIT:8060

AGI:42430

INT:13500

MND:11020

DEX:35700

LUK:3340


スキル:

○狩猟神の聖印(封印中)

 この聖印を持つ者は、狩猟における比類無き天賦の才が与えられる。

 必中の概念が付与される。

 防御貫通効果が付与される。

 神下ろしが可能になる。

 

○神域の狩人

 遠くにいる獲物の位置と地形を正確に把握する事が出来る。

 どんな道具や武器でも達人レベルで使い熟す事が出来る。

 

○狩猟の心得

 気配を殺す事が出来る。

 獲物の弱点が瞬時に分かる。

 どんな獲物でも適切に解体が行える。

 

○鑑定

 大凡のモノは鑑定することができる。


○魔力変換(風)

 自身の魔力を特定の属性へと変換させる。


○魔力付与

 自身や物に魔力を付与する。


○身体強化

 身体能力を強化する。


○幻獣化

 幻獣人固有スキル。自身を幻獣へと変化させる。


○インベントリ

 インベントリ内に物を収納出来る。

 インベントリ内には時間の概念が存在しない。

 インベントリ内部は無限に広がっている。

 他者が不正にアクセスする事は出来ない。


称号:

 狩猟神の使徒(封印中)、神域の狩人、森の守護者

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 予想通りの桁外れなステータスだ。

 まったく。このダンジョンはつくづく俺に優しくない。


 道中の3日間で大分レベルは上がったが、それでもコイツとやり合うには心許ない。


 それでもやるしかない為、覚悟を決めて武器を構える。


幸い、何故かは分からないが俺の持つ烙印と似た様なモノと思われる聖印とやらが、封印されている為、奴とて純全な状態ではない筈だ。


 俺はすぐさまバラムを起き上がらせると、その肩をジャンプ台にして跳び上がり、奴が足場にしている枝を斬り落とす。


 先ずは奴を自分と同じ土俵に連れて来なければ話にならない。

 なんせこっちには遠距離攻撃の手段はないのだから。


 幸い奴の防御力はそんなに高くはないので当たりさえすればダメージは入る筈だ。


 奴は俺が足場の枝を切り落とした直後、すぐ様別の枝に移ってしまった。

 だがそんなことは始めから分かっていた。


 奴が飛び移った木の下にはバラムが既に待機していて、奴が枝に飛び乗る寸前に、その木ごと黒焔で燃やし尽くした。


 だが奴は寸でのところで風を自身にぶつけて身を翻し、それを紙一重で躱した。


 だが計画通り、奴は地面に降り立った。


 先読みしていた俺は既に自身の間合いにまで近づいていた。


 奴も咄嗟にその不完全なたいせいから回避しようと試みるがもう遅い。

 幾らAGIに驚異的な差があろうとここまですれば俺の剣の方が先に当たる。


 ブラックアニスのオンボロの剣を奴の脚へと振り抜く。


 再び風によって回避されるも、手応えはあった。確かに奴から機動力を奪うことに成功した。


「…コロス、…コロス、コロスッ!!」


 2度の突風を用いた回避によってフードが脱げていた。


 露わになったアタランテの素顔は正に絶世の美女であった。

 美しい長い白髪に同色の猫耳。黄金色の両眼の右目側だけ、瞳の中に紋章の様なモノが描かれているのが見えた。


 ただ、その美しい両眼には理性の色は感じられず、その表情は怒りに染まっていた。


 道理で神域の狩人なんて大層な称号を持っているわりに、こんな簡単な誘導に引っかかったわけだ。


 理性がないなら此方としてもやりやすい。

幾らステータスが高かろうとそこに思慮がなければ御し易い。


 俺は畳み掛ける様に斬りかかる。


 アタランテは脚を負傷しているというのにその悉くを避け、避けながらも風を用いて反撃してくる。


 そして、奴が再度反撃してきた瞬間、その背後にブラックアニスを1匹召喚して奇襲させた。


 完全なる不意打ちでありながらも防がれる。だが、動揺はしているようで、僅かな隙が生じる。


 そこにダメージ覚悟で素早くバラムの黒焔を放つ。

 この攻撃によりバラムへの魔力供給が難しくなり、バラムは俺の影の中に消えた。


 だが一矢は報いた。奴は避けることも出来ずにもろにくらっていた。

 俺も咄嗟に避けたものの全身に火傷を負い一部は炭化してしまっていた。だが、なんとか茂みに隠れることは出来たので、すぐさま隠密を使って気配を消した。


「グァァァァアアアアッッッ!!!」

 

 俺同様に全身に火傷を負ったアタランテは、隠密の極意によって気配の消えた俺を見つけ出すことが出来ず、なんとか炙り出そうと四方八方に矢を放つ。


 音速超えの矢が近くを通り過ぎるのを気にすることなく、ひたすらチャンスを待った。


 今のこの状況で幻獣化を使われれば勝ち目はない。故に使われる前にトドメを刺さなければならない。


 狙うは奇襲による一撃必殺。

 

 奇襲であれば確実に殺せる。


 故に焦るな。深呼吸しろ。そして目を凝らせ。


 そしてその時はきた。


 アタランテが背を向け反対方向へと矢を放とうとしていた。


 物音一つ立てることなく素早くその背に近づくとすかさずその首筋へと剣を振り抜いた。


 奇襲に成功したためか、オンボロの剣は何の抵抗もなく首の骨を断ち、その首を刎ね飛ばした。


 俺は残心しながらその死体へと、スキルを使う。


「汝、調伏せよ」


 アタランテの死体の下に魔法陣が現れ、眩い光が辺り一帯を包む。


光が収まるとそこには、首の繋がったアタランテが頭を垂れて跪いていた。


「…この命、主の為に」


 術の成功を確認した俺はそのまま待機を命じた。


「そのまま待機で」


取り敢えずアタランテのことは一旦おいといて、先ずは目の前に現れた宝箱の確認と、その横に現れた空間の裂け目の鑑定だ。


 宝箱に鑑定を行うと、罠の類いは仕掛けられていない事が分かったので、そのまま開いた。


 宝箱の中には煌めきを放つクリスタルの様な宝玉が入っていた。


 鑑定で調べると、宝玉の名は高位スキルオーブで、使用するとランダムでスキルが手に入るアイテムらしい。


 早速スキルオーブを使いスキルを手に入れる事にした。


 スキルオーブを使う様に念じると、スキルオーブの煌めきが強くなり、光の粒子になると俺の体へと入っていった。


『新スキル:魔力変換(雷)を獲得しました。』


 魔力変換!アタランテが使っていた風の雷バージョンか!

 これはかなり強そうだ。

 もしかしたら念願の遠距離の攻撃手段が手に入ったかもしれない。

 これは後で実証しなければ。


 スキルオーブの印象がデカ過ぎたが、宝箱の中には他にもアイテムが入っていたので取り出した。


 入っていたの念願のまともな武器だ。

 武器は打刀で作りも良く、とても手に馴染んだ。


 

 宝箱の中身が分かったところで、お次は空間の裂け目だ。

 なんとなく予想はついているが、鑑定を行う。

 鑑定結果は予想通りで、次への入口だった。このダンジョンの感じからして出口ではないと思っていたのでショックは然程大きくはなかった。


 見るべきモノは見たので、未だに律儀に跪き続けアタランテの元へと向かった。

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不死者になってしまったおっさんの冒険 @Neptune007

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