第6話 魔弓の狩人
俺は蘇るとすぐさま隠密を用いて姿を隠した。
自身の安全を確保した後、ステータスを確認した。
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名前: 大谷 勇
LV: 65
JOB:死霊術師(7/30)
MP:3900
STR:1940
VIT:3470
AGI:2500
INT:2880
MND:6210
DEX:2900
LUK:180
スキル:
○災厄の魔女の烙印
この烙印を持つ者は死ぬことが出来ない。(死亡時、死亡地点より半径1km以内でランダムに復活する)
この烙印を持つ者には試練と苦難が与えられる。
○鑑定
大凡のモノは鑑定することができる。
○刀術(初級)
刀を扱った際に僅かに補正がかかる。
○隠密の極意
自身の気配を周囲に同化させる。極めれば世界と同化し、ありとあらゆるモノから知覚されなくなる。
○気配察知
周囲の気配がわかる様になる。
○死霊術
死した者を支配下におく禁術。支配下においたモノは自身の影の中に送られる。
支配下におくことが出来る数と同時召喚可能人数はJOBレベルに応じて変化する。
○致命の一撃
弱点部位を攻撃時、攻撃力が大幅に上昇し、防具及び防御力貫通効果を確率で付与する。
○奇襲
奇襲成功率が上昇する。
奇襲成功時、攻撃力が大幅に上昇し、確定で防具及び防御力貫通効果が付与される。
○ジャイアントキリング
自身よりも遥かに強い難敵を倒した時の獲得経験値が大幅に上昇する。
称号:
災厄の魔女の寵愛、不死者、格上殺し
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レベルが一気に14も上がり、新しいスキルも3つも手に入った。ただ、死霊術は今回殆ど使わなかった為、JOBレベルは1しか上がらなかった。
ただ、今回の収穫は非常に大きい。
なんせ強力な仲間と同時に強力なスキルも手に入ったからだ。
やはり、このダンジョン脱出の為には逃げてばかりではなく強敵との戦闘も必要不可欠な様だ。
バラムを倒したことによってこの森も大分生きやすくなるだろう。
ただ、俺を最初に殺したあの不可視の攻撃があれ以降一度も襲って来ず、その攻撃をしたモノの姿が未だに不明な事に一抹の不安を与える。
あの攻撃をした存在は、この森を抜ける上で、必ず障害になってくる。そんな予感がした。
結論から言うとバラムが強すぎてヤバイ。
この魔境みたいな森の化け物が瞬殺されていく。よくこんなのに勝てたなぁ。
身体もデカいので、足場の悪いこの森での優秀な乗り物としても活躍した。
俺の持つ隠密の極意は、騎乗しているモノにも適応されるようで、俺が上に乗っていればバラムにもそれが適応され、敵に見つかることなく移動が出来た。
お陰でこの森の中での活動範囲が大幅に広がり、より広い範囲で探索が行えるようになった。
それでも依然として出口は見つからない。
もしかすると何かしらの条件があるのかも知れない。
最初はバラムがこの森のボスなのかと思っていたが、実はそうではなく他にボス的な存在がいて、そいつが出口を護っているという可能性もあると考えられる。
そうすると、やはりこの森に入った時に俺を最初に殺した存在がそれに当たる様な気がする。
現状で奴の居場所が分からず、その存在も不明のままだ。
故に、無闇に探し回るよりも、相手に直接出向いて来てもらうのが1番理想的だ。
その為にするべきことは何となく思い付いている。後は作戦が成功するかどうかだ。
善は急げと俺はバラムに跨り、行動を開始した。
森の中を黒焔を撒き散らしながらバラムが疾走する。
爆音に釣られて寄ってきた化け物共が近づく間もなく消し炭になっていく。
かれこれ3日近く暴れ回っているが未だに反応がない。
もしかしたらこのダンジョンのギミック的なモノなのかも知れないと若干不安になってきた。
そんなことを思いつつも爆走していると、突然背筋に悪寒が走った。
俺はすぐさま直感に従い身を屈めると、先程まで頭があった場所を何かが物凄いスピードで通り抜け、射線状にあった木々を貫通して消えていった。
攻撃を避けれたのは殆ど奇跡みたいなものだった。そして半ば無意識で素早く飛来元であろうところへと気配察知を行ったお陰で、微かにその存在を捉えることが出来た。
それに気付いた瞬間、バラムを全速力で向かわせた。
奴も俺に気付かれた事が分かったのか、急速にその場から離れ出した。
俺は、朧げに違和感程度にしか感じられない様な非常に希薄な奴の気配を見失わないように、必死で気配を捉え続けた。
どうやら相手も俺の持つ、隠密の極意と似たようなスキルを持っている様で、俺もこのスキルを持っていたからこそ奴に気づくことが出来た。
この奇跡を逃せば次はない。本能的にそう察したが故に追いかけ続ける。
ただ、奴が速すぎる。此方はバラムを使い潰す前提で走らせてようやく、何とか食らいついているというのに、向こうは所々で攻撃を放てる程には余裕がある。
俺は僅かに見えるようになった攻撃を直感だけで避けていく。
襲いくる無数の攻撃を掻い潜る中で、直感が凄まじい勢いで磨かれていくのが分かる。弾道は僅かにしか見えず、不規則で、なのに次にくる弾道が何故だか分かる。形容し難い感覚の中で避けることが出来ているのが不思議な気分だ。
終わりの見えない鬼ごっこが続くなか、バラムの身体と召喚を維持する俺の魔力の限界が近づいて来たころ、奴の気配に動きがあった。
どうやら逃げるのを諦めたようで、向きを変えて此方に近づいて来た。
そして漸く奴の姿を見ることが出来た。
深緑のマントにフードを被り顔は見えないが、そのマントの上からでも分かる体型から女性である事がわかった。
そんな彼女は弓を此方に向けたまま、俺の近くの木の枝の上に飛び乗った。
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