七帝柔道記はめちゃくちゃ刺さる青春小説だった。あっという間に読み終わり、近くの柔道道場をネットで探してしまうほど感化された。結果が残らなかったとしても、ほんの少しの時間だけでも良い。何かに打ち込んだことのある人は必ず刺さる小説だ。だからこそ、カクヨムで続きが無料で読めてしまう事に、戸惑いを覚えた。続きが出版されれば、必ず買ったであろうからだ。
まだ、序盤ですが極寒の北の窓ガラスに湧き立つ結露。畳の上で繰り広げられる、その熱気はとても臨場感があり、強烈な汗の匂いがする作品でした。この作品のフックは寝技に特化した特異な高専柔道ということでしつこく絡みつき、地を這うようにじわじわと体力気力を奪っていく寝技の描写。まさしく常山の蛇勢を期待しております。七帝戦で二年連続最下位の北大柔道部がどう立ち上がり、再建していくのか?今後の展開がとても楽しみな作品です。