作品解説に、何度こんなシーンあっても2人は生きていく、と記されたシーンを読む、つまり2人の振る舞いを覗き見ると、心の中に苦くも甘い感情が湧き上がります。心中の辞書を調べて気づきます。これが背徳なのかと。見てはいけないものを覗き見る背徳。俳句(季語がないので正確には川柳ですが)を二十首ならべる、ただそれだけのことのはずが。読者に、過ちを犯しているような、最高の悦楽を味わっているような、社会の中心を外れたときの感情を覚えさせるなんて。夜。まさに夜。昼ではないのです。