記号に必要以上の意味を持たせる謎

転生して何年か過ごした頃だろうか、僕は人間社会にある幼稚園という場所に通っていた。

産まれてすぐには無かった「自我」というものも芽生え、色々なことがわかって楽しかった。

しかし、色々なことがわかるということは、疑問や悩みを持つことでもあった。

特にわからなかったことがある。

幼稚園の先生が、とある女児に「女の子なんだから○○しちゃダメ」と言ったのだ。

全くもって腑に落ちなかった感覚を今でも覚えている。

そも、僕にとって性別とは、その人を構成する一要素に過ぎず、分類に必要な記号のようなものだと思っている。

名前順に並べ替えたり、身長ごとに分けたりするのと同じようなものと理解していた。

その時はたまたまそういう記号に意味を持たせる人物なのかと思って、面倒くさいという感想と共に、その先生には関わらないことにした。

だが、人間社会でその後も生きていく中で、この記号に意味を持たせる人物が意外と多いことに気付いた。

特に多いと感じるのは、年齢と性別だ。

「もういい大人なんだから○○しなさい」や「女/男なんだから○○しなさい」という文句を何回も聞いた。

そこまでこの記号は特別だろうか?

これが名前を特別扱いして、「あなたは佐藤なんだから○○しなさい」と言うのは逆にあまり見ない。

確かに仕分けは大事である。

同じ年齢の人で分ける必要があれば使えばいい。

同じ性別の人で分ける必要があれば使えばいい。

だが、特別な意味を持たせすぎではないだろうか。

そもそも「○○である」という記号と「だから○○しなくてはいけない」という要素が結びつくことは、そんなに無いと思うのだが。

この世界にはまだまだ未知が多い。

また観測次第書き起こそうと思う。

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転生したらニンゲンでした サンノミヤン @J0407C

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