皆さん、百合はお好きですか?
この作品は百合を尊び、百合を愛し、百合に憧れるやべー女、根來和歌が百合を通して、様々な百合乙女と触れ合っていく作品です。
この作品の百合乙女達はそれぞれの胸の内に百合に対する様々な思いを秘めています。手の届かない憧れ、素直になれないもどかしさ、過去への想い等、そこには彼女たちの生き方や、価値観、過去などが「百合」という一つのことばに対する考え方として表れているのです。
この作品における我ら読者のあり方とは、百合という関係であり、行為であり、世界であるモノをその外側にある壁となり、土となり、空気となってそれを眺め、それに想いを馳せるモノであると私は考えます。
百合とは何か、百合好きとは何か、この作品は私たちにそれを伝えてくれる作品だと思います。
12月9日 安藤栞
それぞれの胸の内にある百合は、形は違えどそれぞれに想いがこもったもの。
見守る百合。秘めた百合。隠した百合。優しい百合。目覚める百合。やべー百合……。
それらが織り成す、若い(一部ベテラン)乙女たちの人間模様を描いた物語。
和歌とその友人たちを遠くから眺めていたくなります。
決して『見つめる』のではなく『眺める』のです。
間違っても根來和歌を見つめてはいけません。
見つめれば、たちどころに彼女の百合☆センサー(たまに高性能)に捉えられて『やべー空間』に巻き込まれてしまいます。
それは本当に勘弁していただきたい。(真剣)
傍から見ているぶんには面白いけれど、関わると面倒で苦労させられる子。
百合暴走列車『根來和歌』はそういう子です。
ですが、考えなしに突っ走るだけではなく、きちんと他人の気持ちを考えられるし、引き際も理解する思慮深さも持っています。
ちょっとお茶目なだけの、ブレーキがよく効く暴走列車です。
機関全開とフルブレーキの二択しかないだけ(危険)なのです。
この物語は、教室の隅にいる名もなきモブとなり、気配を消して彼女たちの様子を眺めて静かに大笑いしながら楽しむ作品です。多分。