第32話 奇跡の出逢い

ここは何処だ? 確か俺はエンダールで寝ていたはず何だが??


何もない…暗く真っ暗な世界。遠くには幾星の輝きが散らばり、微かに光が周囲を照らしていた。ただ、俺には向かう場所が何となくわかっている感じだった。本当に不思議だ。


俺はただひたすら前に進む。そして、光が差す丘に一人の少女が蹲っているのが見えた。何故かその少女に引き寄せられる。間違いない…あそこが俺の目的地だ。


ーー声が届く場所まで来た。どうやら少女は泣いているようだ。俺は声をかけようとして気づく…


「何で俺は泣いているんだ??」


無意識のうちに目から溢れ出す涙を拭うけど、涙はいっこうに止まることはなかった。


「こんな所でどうしたのかな?」


「わたしのせいなの……」


やはり少女は泣いていた。しきりに私のせいでと泣いている。少女の涙を見ると、こころがはち切れそうになり、どうにかなりそうになる。俺はそんな状態で少女との会話を続けた。



・・・・・・


俺は少女から全てを聞いた。


「君のせいではないよ。寧ろ君のお陰で俺は今、君の前にいる。」


「私がもっと頑張っていれば!」


「それは違うよ。君は頑張っていたんだよ。それでも、こうなったのは俺達人間が何も顧みなかったからだ! だから君は何も気にしなくて良いよ。寧ろ機会をもらえただけ感謝している。」


どれくらいの間、少女と話していたかわからないけど、少女が泣いていた理由も、俺がダンジョンに閉じ込められていた理由も全て理解出来た。荒唐無稽な話だったけど、少女の言葉に嘘が無いことだけはわかった。全て本当のことなんだ……


「貴方は面白い人ね。」


「普通だと思うけど?」


「ううん。きっと貴方のような人とは、これから先逢えないでしょうね…だから、貴方に託すことにします。この混沌とした世界で希望となる光を貴方に…私は<アース>、友の行く末に幸あらんことを!!」


【星の意思<アース>より、贈物が届いています。称号『アースの友』を獲得しました。ユニークスキル『叡智グローリア』を習得しました。ユニークスキル『叡智グローリア』がスキル『マップ』『探知』『高速演算』『思考加速』『解読』を取込みました。聖剣〈デュランダル〉を獲得しました。】


「え~と…良いのか?」


「うん。好きに使って。もう少しで世界は混沌とした世界が訪れます。私はそれに一切手助け出来ないでしょう。」


「君の立場ならそうするしか無いでしょう?」


「アース! 私はアースです!!」


ええ~!! 星の意思を呼び捨てなんて…はい、わかりました。アースは頬を膨らませて、怒っていますという顔でこちらを見ていた。


「アースの立場ならそれが正解でしょうね。寧ろ俺に力を貸して良いのですか?」


「うん。まだ始まっていないから、大丈夫みたい。でも、これ以上は私には無理そう。」


「ありがとうございます。大事に使わせて頂きます。それと、俺の事は<キョウスケ>で良いですよ。」


「わかった…キョウスケ。」


【称号『アースの友』が『アースの親友』に改変されました。】


「そろそろ時間のようですね。キョウスケは死なないで…………」


意識が薄らいでいき…気づけば見慣れた天井が映し出されていた。



・・・・・・



「あれ? 何か大事なことがあったような……? それに、何で俺は泣いているんだ?」


進化の影響で寝ていたのは覚えている。ただ…何か大事なことが……思い出せない……


ガチャ…


布団の横に丁寧に置かれた剣。柄が黄金で刀身は豪華な装飾された剣。この剣は何だ??


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鑑定結果 『聖剣-デュランダル』

ランク 『伝説級』

効果 《踊る聖剣》《不壊》《自己進化》

使用者制限-立花 恭介

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


聖剣? やっぱり身に覚えが無い……けど、使用者制限の効果で俺しか使えないようになっている。俺に使えということだろうか?


「キョウスケ様! お加減はいかがでしょうか?」


「アイリス、おはよう。身体は問題無いよ。寧ろ調子が良いくらいだ。」


俺が目覚めたのに気付いたアイリスが部屋にやってきた。アイリスは心配そうに確認してくる。俺は自身の身体を確認して、問題ないことを伝えた。


「俺はどれくらい寝ていた?」


「6日です。それで…数日前に急にその剣がキョウスケ様の寝ている側に現われました。危険だと思い、何度か動かそうとしたのですが、動かす事が出来ずにいました。」


あぁ…使用者制限のせいだな。


「それは問題無いよ。俺も何故この剣がここにあるかは分からいけど、問題は無さそうだからね。これからの事もあるから、一度みんなで集まろうか。みんなに声をかけてきてくれるかな?」


「承りました。私達も報告したい事がありましたので直ぐに呼んでまいります!」


・・・・・・


それほど時間を欠けずにみんなが集まった。初めにオーク変異種のドロップ品とオークイーターのドロップ品、討伐報酬の確認を行った。


まずはドロップ品だが…


・オーク変異種の肉 ×3,200

・オーク変異種の霜降り肉 ×2,100

・オーク変異種の牙 ×2,000

・オーク変異種の睾丸 ×1,800

・オーク変異種の魔石 ×5,300

・オークキング変異種の霜降り肉 ×2

・オークキング変異種の牙 ×4

・オークキング変異種の魔石 ×2

・オークロード変異種の霜降り肉 ×1

・オークロード変異種の牙 ×2

・オークロード変異種の魔石 ×1

・オークイーターの牙 ×2

・オークイーターの爪 ×5

・オークイーターの睾丸 ×2

・黄金の豚肉 ×200kg

・オークイーターの魔石 ×1

・腐食液 ×5,800ℓ

・黒骸の鎧-MUGEN(伝説級) ×1

・魔喰盾-GAIA(伝説級) ×1

・魔槍-EATER(伝説級) ×1


ドロップ品だけでこの数はヤバいな…報酬も開けてしまおう。今回は金の宝箱が3つ。いつものように俺が開ける。


・アダマンタイト鉱石 ×100トン

・スキルの書-『同種異常化』 ×1

・魔極の指輪(伝説級) ×1


早速、使い道を考えないとな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ダンジョンから生還したら最強でした!あとはのんびりスローライフとはいきませんでした・・・ @DAISHI0526

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ