第31話 二度目の進化


【ーー進化を開始します……】


ビキビキ…バキバキ……グキキキ………


恭介の身体は急速に姿を変えていった。


頭部には巨大な鬼の角が3本と竜の角が3本、背中には大きな2翼の竜の翼が広がり、身体は漆黒の竜鱗で覆われ身体が大きくなっていく。


『ブルモォッ!!』


ガギィーーン!!


『ブモッ??』


恐怖で動けずにいたオークイーターがようやく動き出した。オークイーターが槍で俺の心臓を突き刺そうとするが、俺の漆黒の竜鱗は意図も容易く槍を弾きかえす。その様子に理解が追い付かないのか、オークイーターは暫し呆然としていた。そうしている内に…


【ーー進化が完了しました。恭介は『竜鬼人種ドラグオーガ』から『滅輝竜鬼カオスドラグオーガ(新種)』に進化しました。新たに種族特性『属性反転』を獲得しました。職業『覇王』のレベルが4へ上がりました。スキル『覇鋼筋体』を習得しました。職業『ダンジョンシーカー』のレベルが7へ上がりました。スキル『罠解除』を習得しました。】


・・・意識が覚醒する。


この姿が進化した姿かぁ…別にこれはこれで良いか! 『人化』で人になれるようだしな。進化した姿は竜と言うよりは翼の生えた巨大なリザードマンと言った感じだった。大角は6つ生えているな? それにしてもでかく成りすぎだろ! 二足歩行の為か目線が高い。体長20mは越えてるかもしれん! オークイーターが小さく見える。


「待たせて悪いな。そろそろ終わりにしよう。どうやら俺はお前以上の化け物だったらしい。」


力がみなぎってしょうがない…


オークイーターは身体から無数の蛇の腕を出現させ、オーク変異種より強力な《腐食液》を噴き出した。それは津波のように、俺に向かって流れてくる。流石の俺もこの量の《腐食液》を浴びればタダでは済まないだろう……


「喰らえ!『無限竜の胃袋ウロボロス』!!」


ユニークスキル『無限竜の胃袋ウロボロス』は津波のように押し寄せる《腐食液》を勢いよく喰らい、あっという間に喰らい尽くした。


【ーーオークイーターの《腐食液》を喰らいました。ユニークスキル『不滅王の肉体アウローラ』が『腐食耐性』を獲得しました。】


「驚いているところ悪いが隙だらけだぞ!!」


爪でオークイーターの魔核を抉り出す。俺の爪には竜と鬼の力が宿り触れたあらゆる物を貫き切り裂き破壊する。エクストラスキル『救世と破滅の鬼帝』の効果も加わり、オークイーターは成すすべなく魔核を抉られその場に倒れ伏した。


【ーーオークイーターを討伐しました。】


【ーーユニークスキル『無限竜の胃袋ウロボロス』がオークイーターの全てを喰らいました。ユニークスキル『無限竜の胃袋ウロボロス』がユニークスキル『共食いハザード』を取込みユニークスキル『無限竜の大胃袋ウロボロス』へ覚醒しました。立花恭介のレベルが10へ上がりました。】


【フロアボスの討伐を確認しました。討伐報酬が贈られます。】


「もう出て来て良いぞ?」


戦闘の途中から3人が見学していたのには気がついていた。『人化』で人に戻りながら3人に声をかける。


「フゥ~余裕が無いからドロップを皆で回収したら一端戻ろう。二人も進化出来るみたいだしね。」


「それが良さそうですね。」


「助かるわい。」


「ありがとうございます。」


自分の状況を正しく判断できているようで良かった。ここで無理をしても良いことは一つも無いからな。急いでドロップ品を回収してエンダールに帰った。正直帰ってからの記憶は余り無かった。解散した後はそのまま布団の上にダイブして深い眠りについた。進化の影響かより深い眠りえと誘われた。



<ーーアイリス視点>


私達は気配を消して、森の中でキョウスケ様の戦いを観ていた。両者のぶつかり合いは森全体を震わせるほどの衝撃を放っていた。


間違い無く圧しているのはキョウスケ様です。ですが幾ら攻撃しても瞬時に再生してしまう。何度繰り返すが再生能力が衰えることは無い。


キョウスケ様もそれがわかっているのか、核狙いにシフトするが相手もそれがわかっているのか守りは固い。


暫く膠着状態が続き、状況が動いたのはキョウスケ様に異変が起こってからだった。


全身に震えが走った。ただなら無い気配が周囲を覆った。その気配を感じとってなのか相手も攻撃を止めて呆然としていた。


「まさか!? 進化・・・」


「進化で間違いないのう・・・」


「主様の気配に圧倒されてしまいます」


バラゴスの言う通り進化で間違い無さそうですね。恭介様の変化とともに私達の力も上昇していく。


元々竜鬼人種と言う種族で一応人種の枠組みにいた恭介様ですが、今回の進化で人種とは言え無くなった。竜種なのだろうか? 一番近そうなものをあげるが否定せざるおえない。完全な二足歩行で立っているため、巨大なリザードマンの方が近いかもそれません。


進化中に相手の槍が恭介様を貫こうとしましたが、傷一つ付けることができませんでした。鱗の強靭さに驚愕させられました。


勝負は一瞬で終わりました。津波のように押し寄せる《腐食液》が一瞬で消えたと思ったら核を破壊していました。キョウスケ様が強くなるのは喜ばしいことですが追いかける身としては複雑です。キョウスケ様が戦わなくても良いように私達が強くなるしかありません。



決意を新たにして、キョウスケ様と合流します。

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