5 愁い溶かす風浴び夜越えて
雨上がり、雲割れ光り
水たまりを歩く僕を行き交う人は笑う
旅の果てに答えを探す
幾度と繰り返し、幾度も掴めぬまま旅立つ
空見上げ両手をかざし僕は願う
「あの鳥は空を越え、向かう先に何があるの?
迷いもなく進める君の様になりたいな」
星は回り、時は進み往くよ
愁い溶かす風を浴び、さあ進もうか
陽は沈み、茜に光り、やがて紺色に染まる
それでも進む僕を人は笑う
道しるべもないまま歩く
幾度と繰り返し、幾度も迷ったまま旅立つ
空見上げ両手をかざし僕は願う
「あの月、空浮かび、向かう先に何が見えるの?
道を照らし煌めく君の様になりたいな」
涙は海となり、僕らは浮かび旅をする
帆を立て風を感じて未だ見ぬ地を目指す
月は浮かび道を照らす
煌めく星を数えたら旅立とうか
星を巡り踊り、空越え海越えて
愁い溶かす風浴びて、さあこの夜を越えて――
ノエル現代詩集 ~a Wayfarer's Flower Blooms ノエル・フォン・シュテュルプナーゲル @noelvonstlpngl
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