4 月と仮面

降り頻る雨は川の様に流れ

記憶の海を作り、やがては溢れる

そよいでは鳴いた風の追憶を

今宵月と詠い、愁いを乾かし踊り舞う


降り頻る雨は全てを流してしまう

記憶の海は空になり何もかも消えた

そよいでは鳴いた風が運んだ

檸檬の匂いが、私を潤し続け舞う


ゆっくりと落ちて燈り続けていて

永遠に煌めき昇り続けていて――そう願う

消えない君の光を浴び、此処に咲き舞う


私は空を仰いで踊る、君に見えないように

顔を隠した指の隙間から君の光り、それは目に沁みた

まるで酸っぱい果実の様に


私は月を仰いで詠う、君に聴こえるといいな

伸ばした両手で君を包む、光りが目に染みた

檸檬の空に描いた明日を願う


私は君を仰いで詠う、君に聴こえるといいな

伸ばした両手で月を包む、君の光りこぼれぬ様に――


気が付けば雨は止み、宙を燈す

願った明日に目が覚めています様に

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