穏やかな日、昨日の夢を思い出す

安心院 才花

プロローグ

好きな季節は冬。変わらない日常は雪に溶かそう。

「その雪は私の体温で溶ける。温もりは生きてる証、きっとあなたもそうでしょう」

雪に横たわり天を仰ぐ。埋もれなどしない。きっと私が生きる証が降り積もるすべてを溶かすのだから。

私に好きな季節をくれたあなたは雪が降りしきる2月に亡くなった。春になりそれでも残る雪はあなたがいない世界の訪れを確かに感じさせるのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

穏やかな日、昨日の夢を思い出す 安心院 才花 @ajimu_7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る