僕たちは芸術になる。
言の葉綾
僕たちは芸術になる。
空を仰ぐ
マリンブルーでも
スカイブルーでも
コバルトブルーでもない
誰の目にも触れることのない
深海の如く深い青が
私たちの世界に満ちている
日向で生きる者たちは
その青を謳歌している
だが比べてみて私はどうだ
虚空を見上げても掴もうとしたら
ひらり、交わされるだけ
その虚空を
私は青春と呼んだ
日向で生きる者たちが
友人と談笑し
流行に乗っかっている
笑顔と眩しさに満ちた青春
陰で身を潜める者たちが
1人でこっそり涙を流し
人との会話に飢えている
陰鬱で日の当たらない
青春に取り残された
日向で生きる者たちだけが
青春への切符を手に入れている
果たして本当にそうだろうか
青春は一度きり
一度過ぎてしまったら
もう二度と戻ってこないもの
果たして本当にそうだろうか
青春は、終わらない
誰かの心の中で
あなたの魂の中で
例えあなたという物語が
終わってしまったとしても
永遠に
負の感情なしで
青春は手に入れられない
壁にぶつかるから
複雑な絡みを経験するから
私たちは強くなるのだろう
だから陰で息を潜めていたって
人との会話に飢えていたって
それこそが青春
私というキャンバスに
私という筆で
青春を塗りたくれ
青春は、芸術だ
僕たちは芸術になる。
僕たちは芸術になる。 言の葉綾 @Kotonoha_Aya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます