第6話過去に思いを馳せる
「ごめんなさい。まさかこんな形で再会出来るなんて思ってもいなかったから、つい興奮してしまって…」
「いや、私も再会出来て嬉しいけどね。だけどまさかあの絶世の美少女だったオルちゃんが男だったなんて……」
世の中、何を信じればいいんだ…と切なげに言った真琴に。
はにかみながら微笑む顔を見せたその表情は、幼い頃の
天使より可愛い女の子と信じていたオルちゃんが、
しかしたとえ性別が男だったとしても、どこから見ても麗しい
オルちゃんと出会ったのは、真琴が祖父母が住まう田舎に遊びに行った時のことだ。
当時の真琴は
だから長期の休みの際には
たった1人でポツンと立っていて、シンプルな真っ白のドレスを着ていたこともあって真琴は祖父に「天使捕ったどー!!」と叫ぶと同時にオルちゃんに思いきり抱きついた。
その場に駆けつけた祖父は、孫に抱きつかれたまま泣きながら気絶した子供を見て
そして真琴に特大のゲンコツを落とした。
それからこのままではいけないと家に連れ帰り、すぐに訳ありと察しておよそ2週間ほど祖父母の家で一緒に過ごすことになる。
そしてある朝、オルちゃんはいなくなった。
あまりに突然だったのと、
そのせいで、祖父母が驚くほど泣き叫んだ真琴は三日三晩高熱を出して寝込んでしまった。
おかげで当時の記憶は
だけど思い返してみれば、当時オルちゃんは1人では着替えが出来ないからと祖母が
風呂もなんだかんだ別だったので、これでは今の今までオルちゃんは女の子だと信じてしまっても仕方ない。
誰も目が
……真琴は祖母が大笑いしながら自分を指さしている
「色々、事情があるんだ。子供の頃もそうだけど、今もそれは続いてて……」
「え」
「そのせいで、本当にマズイことになっているんだよ。下手したらーーーーーー戦争になるかもしれない」
カイトは真琴の両手を包み込むようにして強く
「お願い。男として、私の
カイトは真琴に
カイトが住んでいる国は農業大国と呼ばれる、ファムズと言うのだが。
17年前までは、荒れ果てた広大な土地を持て余していた貧乏な国だったらしい。
そこへ当時8歳だったカイトが、
領民と協力して土地を
そこから大量の作物が
そこから牛や鶏などの動物を他国から買って、
話を聞いた限り、最初こそ苦労があったにしろ何か大きな問題が起こるようなことがあるとは思えない。
国の跡継ぎ問題や、
貧乏だった国が裕福な大国になったことが許せないと思っている国の嫌がらせが続いているとかいう話なら、真琴は手に余ると正直に話すしかない。
だけどやはりお人好しなところがあるので、話『だけ』は聞いてみることにした。
子供の頃に遊んだ友達が異世界の王子で絶世の美女になってた 桐一葉 @bonmocoan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。子供の頃に遊んだ友達が異世界の王子で絶世の美女になってたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます