地上4 lv《レベル》 UP!
ダンジョンの第一層に行き、
「綾坂さん」
「あ、直人君。今日は……一人?」
「そうです」
「分かったわ、じゃあ二層までしか行っちゃダメよ」
「分かりました」
まあ昨日まで無職だったから二層までしか言っちゃダメなのは当然だ。
それに俺自身このスキルがどういうのか分かってないし……。
「じゃあ行ってきます」
「気をつけてね」
綾坂さんに見送られながら二層へ潜る。
一応前の段階では二層でも中々大変だった。
何たって無職だからステータスの上昇とかがなかった。
つまり素の力で戦うしかなかった。
でも今は職業もあるし五層から上に上がる時に倒した敵のEXPでレベルアップにも近づいた。
今の俺のステータスはこんな感じだ。
《名前:
職業:探索者lv 1(次のlvまで126XP)
スキル:『探索』 効果:ダンジョンを探索する事が出来る。
装備: 頭 無し
胴体 鉄の鎧(DP+100)
足 鉄の靴(DP+30 SP―50)
アクセサリー 無し
武器 鉄の剣(AP+200)
累計: AP:200
DP:130
SP:―50》
もうすぐでlv2だ。
だから今日中には行ってしまいたい。
「ヌチュオ」
ん? 何だ?
「ヌチュヌチュ」
音がする方に近づく。
「ヌッチュ……ルギィ?」
と、鳥みたいなモンスターが人を食べてる!
うおぉ……グロい……人の死体はいつ見ても慣れないな……。
「ルギィエ!」
いきなり遅いかかってきた。
「よっ!」
それを上半身を後ろに倒して回避し、持ってきていた鉄の剣で斬りかかる。
「グギェ!」
しかし硬い羽で斬れなかった。
「くそぉ!」
二層にこんなやついるのかよ!
「ルギャッギャッ!」
クチバシを大きく開けながら突っ込んでくる。
それを
「グェ!? グギャア、ギャ、グェ……」
ドサッと鳥が倒れる。
な、何とか勝てたー。
『職業レベルが「2」になりました。スキル【アイテム収納】を獲得しました』
おっ! レベルが上がったのか!
【アイテム収納】ねぇー……あれこれ中々に強くね?
拾った素材とかを簡単に持って帰れるじゃん。
ありがたい!
じゃあ早速この鳥を入れてみますか。
「【アイテム収納】!」
ポワンと空間に穴が空いて、中は黒い闇に沢山の星が浮かんでいる様なキラキラした空間がだった。
「綺麗だなぁ……」
おっとっと、つい見惚れちゃってた。
穴を鳥を上に移動させてそのまま下ろす。
すっぽり入った時に【アイテム収納】を解除する。
うん、無くなってる。
すっげーこの魔法!
ま、今日は取り敢えずこんなもんで良いかな。
こんな強い鳥なら結構な価格で売れそうだし。
そう思いながら一層に帰る。
……あぁー! そういえば明日学校だ!
どーしよ、『ローダーズ』の皆もあの学校に通ってるからなんか生きてるってバレちゃうな……。
いや、バレても良いか。もう探索者ギルドとかが動いてるだろうし。
そんな事を思っていると一層に着く。
「綾坂さん」
「あ、直人君、どうだった?」
「狩れました」
「凄ぉ〜い! 職業手に入れたから強くなったのかな!?」
うーん……スキル今回発動させたりはしてないんだよなぁ……。
つまり俺は元から強い? ……いやそんな訳ない。
「何のモンスターを狩ったの?」
「これです」
周りにあまり見られないように【アイテム収納】から先程の鳥を出す。
「あれ? 直人君その鳥どっから――」
「換金して下さい」
「いやあの、その鳥」
「換金して下さい」
「……はい……」
綾坂さん、ごめんなさい。
「というかこんなモンスター狩れる様になったんだね。二層では一番強いモンスターなのに……」
うぇ!? こいつそんな強い奴だったのか……。
「そうなんですか!?」
「逆に知らないでやったの!?」
はい!!
「と、取り敢えず換金終わったからお金出すね」
「はい……分かりました」
もしかしたら俺って意外と強いかったのかもしれない。
いつもより大量のお金を受け取り、めちゃくちゃルンルン気分で家に帰った。
ダンジョンの奥底で錬金術師の店を営んでいたらいつの間にか文明を築いちゃってました 〜 客人は殆ど来ませんが、周りにモンスターが沢山いるのであんま問題無し! 〜 鬼来 菊 @kikkukiku
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