共に過ごした日々を忘れない、ありがとうキミに出会えたこと

回想をうまく使った展開は良くできている。
読後も素敵。

白石雪乃が事故で葵だけを忘れたのをきっかけに彼女と距離を取るも、好きな気持ちは忘れられず、一緒にデートした場所をめぐっていく。

途中、何度も回想を挟んでいる。
また、主人公の葵だけでなく、白石雪乃視点にも変わる箇所がある。
本作が恋愛ものの構成で書かれているためと考える。
彼女の視点にするのは、記憶を忘れた彼女もまた本作の主人公だから。
忘れた過去と向き合い、何かへと変わっていかなくてはならない。
そのためにはどうしても、彼女の視点が必要なのだ。
構成がよく考えられて作らえている所が良い。

ホタルの明かりとともに記憶を思い出していく展開がよく、自分の記憶で驚くところが面白かった。