41日目:暴言??いや、愛だよ愛
「おかたん」ズ暴言。
それは結婚してから、現在に至るまでに発せられた多種多様な罵詈雑言のことである。
常に「おとたん」の心をえぐって仕方がないそれらであるが、今日はその一部をご紹介しようと思う。
曰く、
『シュッとしてる?え?プンプンでしょ?』
『「おとたん」には入るタキシードないもんね~』
『妖精の粉?ベチャベチャやん?』
『男のロマンって言われてもわからないよ。というか、「おとたん」はマロンみたいなもんだよね、まぁるい栗』
『ティンカーベルって知ってる?綺麗な羽の生えた妖精だよ?「おとたん」が小さくなって飛んでても、いいとこ、「千と千尋の○隠し」の坊ちゃんじゃん』
『ハロウィンの仮装?せ○とくんでいいじゃん?あー、仮装しなくても一緒か!』
などなど、上げ始めると枚挙に暇がない。
本当に酷いものである。
確かにボクは坊主で、上背もなく、体重もかな、、少し重めというまぁ、いじりやすい体形をしているのは否めないが、それにしたって酷すぎる、、、と思う。
「おかたん」的には
『え~可愛いって言ってるのにぃ。暴言じゃないよ、んん~そう、愛だよ愛!』
という訳の分からない理論に落ち着くらしいのだが。
一体どういうことなのやら?
しかも「史たん」が産まれてからは
『え?丸が二つ!』
『「史たん」顔は可愛いのに髪がないんだよね~頑張って生やさないと「おとたん」と見分けがつかないぞ~』
『団子三きょうだ…間違った、鏡餅だね』
など、バリエーションも増え、それに伴ってボクの心はもうバッキバキである。
そんなブロークンハートな「おとたん」であるが、最近一ダメージを受けた「おかたん」ズ暴言がある、その「熊」にまつわるエピソード、、、いや、事件について、今回はご紹介しようと思う。
それはとある夏の日、この日も「ばばちゃん」による「史たん」の修行が行われていた。
「史たん」は最近ズリバイという特殊技能を身に着けつつある。
本当にちびっ子の成長は早いものだと、驚かされてばかりであるが、ついこの間まで寝たきりだったとは思えないほど、アグレッシブに動き回るようになった。
一度、寝返りの仕方を覚えたと思えば、あっという間に右も左も表も裏も自由自在になり、肘から手先だけで上半身を支え(所謂アシカのポーズ)、『うんうん』唸っていたのはつい先日のこと。
そしてそれに留まることなく、もう匍匐前進一歩手前まで来ている。
当然まだ前に進めるわけではないが、両方の足を交互に動かし、床の上で膝擦り運動をしている様は獲物を前に期を伺っている猫を彷彿とさせる(ただ、実際の『へげっへげっ』という鳴き声と体形を合わせると、、、)。
いや、どちらかというと獲物側の子ブタになるだろうか(キュートなおしりをフリフリしている様は一度そう思ってしまうと、子豚にしか見えなくなってしまう不思議。食べてほしいの?そうなのかな?)?
で、話は冒頭に戻るが、今日はスパルタ「ばばちゃん」からハイハイの修行を受けさせられているという訳だ。
匍匐前進の態勢から足だけをハイハイの位置に持っていかれ、そこから後ろに足が下がらないように固定されて、ただ応援される。
これの何が修行かといえば、まだ貧弱な腕では自分を前に進めることはできず、かといって後ろにも下がれない。
つまりダンゴムシの丸まり途中みたいな態勢で、床の上でロックされた状態となる訳なのだ。
これから逃げるには、自分の力で、腕を前に一歩出す必要があるのだが、この前まで仰向けでコロコロしていた、子豚に片腕だけで自分を支える力なぞあるはずもなく、苦しめの態勢でただうなるだけになってしまっている。
そんな訳で、子豚はボクの目の前で
『うーーーーーーーあーーーーーーーーーーーー』
と言葉にならない叫びをあげているという訳である。
修行といえば修行なのだが、できるサイドから見ると大分微笑ましい、そんな修行である。
そして、「史たん」の心の叫びを聞き続けること1分。
ようやく解放される。
ただ、解放された直後から「史たん」は、また一人でズリバイの練習を始める。
まぁ、やれることがないってのは分かるのだが、この自分いじめが大好きな性質は誰に似たのかしらん?と少し「史たん」の将来に不安を覚える「おとたん」であった。
とまぁ、そんなこんなで「史たん」のストイックな一面を垣間見れた(?)「ばばちゃん」は終始笑顔で修行を終え、上機嫌で帰ったいったのだった。
そして、このあとあの忌まわしき事件が起こるのだった。
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