27日目: 必殺スタンピング!
「史たん」の顔面ダイブから、十数分、未だ「おかたん」の一週間分の出来事トークが終わらない。
しかも随所で、『褒めて褒めて』の顔をしてくるものだから、仕方がないので、
『 そうだね~』
と言いながらハグをして、頭を撫でてあげることにする。
「おかたん」を撫でながら、
『 これは、、、犬かな?犬なのかな?でもさ、よく考えたら、「おかたん」トークの中で主に頑張っていたのは「史たん」じゃなかろうか?であれば、撫でるべきは「史たん」か?』
などと考えながら、脇を見やる。
まぁ、当の「史たん」は、さっきからずっと座布団の上で、手足を盛んにバタバタさせながら、
『 んっ、へげっ、へげっ、へ、、、、へっぶし。』
とやっているから、多分褒めたところで、何とも思わないのだろう。
ってか、くしゃみ、可愛くないな(笑)
そうこうしていると「ばばちゃん」が二階からやってくる。
『 あら~来てたの?全然気が付かなかったわ~』
『 …ちゃんとただいま言ったのに、、、』
『 お洗濯干してたからねぇ、聞こえなかったのかも?それより、見た?「史たん」?なんと、うつ伏せできるようになったのよ?、、、』
から始まるまさかのセカンドチャンス。
一瞬嫌な予感はしたのよ?
それでも不可避のイベントではあったようで、このあと、「おかたん」とほぼ同じ、今週の「史たん」!のあれこれを、「おかたん」トークの濃度を超えて聞かさることになったのだった。
でも、二人の話を総評すると、「史たん」は大分いい子にできていたらしい。流石は「ボク」の子。「ばばちゃん」曰く、
『 もう、本当にね、静かないい子だったのよ?夜泣きの回数も少ないし、泣いてもほら、気が付かないくらいの小さな声なのよ?でもねぇ、もぉ、この前までいた「姪ちゃん」(「ボク」の妹の第一子は、「史たん」より半年早く生まれた女の子なのだ)は大変だったわ~二時間おきに大音量。ぜぇんぜん泣きやまないのよ。「じじちゃん」も大分ヒステリー気味になっちゃって。それに比べて、「史たん」はすぅぐ泣きやんで、偉いでしゅね~』
そういいながら、「史たん」トレーニングは欠かさないスパルタ「ばばちゃん」は、あおむけだった「史たん」をまたうつ伏せに。。。
さっきまで、ご機嫌で手足パタパタ遊びをしていた「史たん」は驚いた顔(?)をしながら、それでもうつ伏せ状態から懸命に顔を上げる。
『 ん、あ、んん、う、、、、、(っボス)』
『 頑張れ頑張れ~あ~潰れた(笑)ね?結構頑張れるようになったでしょ?』
座布団に埋まった顔面をどうすることもできず、背中を丸めて呻く「史たん」のお尻をポンポン叩きながら、軽く笑った後、また「史たん」をひっくり返す。ここら辺の余裕感はさすがといった感じではあるが、、、見ているこっちは気が気ではない。
「おかたん」も心配したのか、
『 あ、あの、さっきも見せましたから、、、』
と、おろおろと「史たん」をフォローする。
『 あら、そうなの?そっか、それじゃぁ、ちょっと疲れちゃったかな~まぁでも、やればやっただけできるようにはなるからね!』
そういいながら、「史たん」のお腹周りをくすぐるように触る「ばばちゃん」。
「史たん」はまだ、くすぐったいがわからないようで、無表情の中にも迷惑そうな顔をしながら、なされるがままになっている。
『 分かるぞ、「史たん」、我が母ながら、この「ばばちゃん」という生き物は面倒くさい生き物なのだ。だが、「史たん」よ願わくば、このまま静かないい子に育っておくれ。』
と、心の中でエールを送りつつ、二人の話に相槌を打ち続けるのだった。
それから暫くして、いざ帰るぞ、という段になった。
『 じゃぁ、そろそろ帰るわ~』
「ボク」の一言で、皆帰り支度を始めた矢先のことだった。「おかたん」の
『 ん?なんかくしゃい?「史たん」ちょっとおむつ見てみようか?』
の掛声と共に「史たん」のロンパースが捲られていく。
流石は慣れたもので、おむつにはしっかりと、出ました!のマークが。
『 あーでたねぇ、でも丁度良かったね!じゃぁ、お尻キレイキレイしようか!』
いうが早いか、半裸の「史たん」を残して、バケツの準備を始める「おかたん」。
拭いたほうが早いんじゃね?と思わなくはないが、流石に口は出せない。だから、「ばばちゃん」に
『 いつもこうなん?』
と聞いてみる。すると、
『 ん~うちではあんまりだったけど、「おかたん」ちゃんがやりやすいやり方でやった方がいいと思うからね。それに「史たん」はまだゆるゆるう〇ちだから、洗った方がすっきりはするかもね?』
とのこと。そして、「ボク」を残して手伝いに向かう「ばばちゃん」。
まぁ、やり方の成否なんぞ「ボク」にはわからんからね。
だから、おむつまで脱がされて、完全半裸になった「史たん」がバケツに沈められていくのを黙ってみていることにした。
のだが、バケツに沈められたとたん、「史たん」は猛烈な勢いでスタンピングを開始。もうこれでもかってくらい、楽しそうに膝を上げ、ジャバジャバと足踏みをする。
慌てたのは「おかたん」だった。お尻を洗う暇もないまま、
『 ちょっ、ちょっと待って、「史たん」。急にどうしたの?あ、もう駄目だったら、まって、、』
と慌てて押さえつける。
それでも「史たん」のスタンピングは止まず、タオルをもって待機していた「ばばちゃん」まで加勢に入る始末。
『 あれ?「史たん」大分パワーアップした?しっかし、毎回これだと、「おかたん」も大変だなぁ。』
なんて思いながら、のほほんとその光景を見つめる「ボク」。
そんな「ボク」だったが、ふと、「史たん」の太ももが目に留まる。
『 あれ?あのこの太もも、、、なんか太くね?』
つい先週まで、赤ちゃんのふくふくとした肉の塊然とした太ももだった気がするのに、なんだか筋肉の筋も見え始めたそこそこいい太ももがそこにはあった。
その太ももから繰り出されるスタンピングの効果はと言えば、、、もう床がびっちゃびちゃである。
それでも何とか、おしりふき(?拭き、じゃないな)を終えたらしい「おかたん」が、
『 もう、どーしたの?「史たん」?「おとたん」に久しぶりに会えて楽しくなっちゃったの?』
と言いながら、びしょぬれ「ふみたん」をタオルにくるむ。
床拭きを手伝いつつ、
『 いや~凄いねぇ。毎回こうなの?』
と聞きつつ、「史たん」の太ももを触ってみる。
『 違うよぉ、なんか今日は、、、』
という「おかたん」の声を聞き流しつつ、むにむにした太ももは、、、
『 えと、太もも太くね?』
『 そうなの!この子、力強いのよ!ホント、大変なんだから!』
『 いや~でもさ、これはどう考えても、、、「ボク」の血じゃないよね?』
一瞬静かになる場。
その後、「おかたん」と バケツを片付けて戻ってきた「ばばちゃん」の二人から、
『 いやいや、どう見たって「おとたん」の家系でしょ!』
『 あのねぇ、どうみてもあんたのと同じでしょうが!』
と、ほぼ同時に突っ込みを受けることになったのだった。
…そんなことないもん、「ボク」の太ももは「おかたん」のお腹周りくらいしかないもん!
因みにこの間「史たん」はずっと、次回のお尻洗いに向けたスタンピングの練習を「おかたん」の腕の中でやっていましたとさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます