とある村の話

無題１

「書くの辞めた方がいいよ」

「……突然どうしたの」

「絶対よくないよ」

「ええ？　どうして。別になんにも起こってないじゃん。話題にしているものも、大分昔の話ばっかりだよ」

「それでも辞めた方がいいって。だってあんたその為に実家とか帰ってたりするんでしょ？」

「そうだけど……でも実家に帰るのは別に悪いことじゃなくない？」

「目的が違うじゃん」

「まあ……っていうか、どうしてそんなに止めるの？　細々だけど、読んでくれてる人だっているしさあ」

「……もっと題材はあったのに、なんでわざわざあの村のことなの」

「だって故郷だよ」

「そうかもしれないけど」

「なあに？　らしくないじゃん、本当に。何か引っかかるの？」

「……そういうんじゃ、ないけど……」

「じゃあこの話終わり！　また気が向いたらでいいから、感想頂戴ね」

「うん…………」