第27話 九月二十九日(木)ー5 “袴の彼”ー4
“袴の彼”の行射はその精巧なガラス装置が自然の摂理に則って繰り広げたダイナミクスそのもののように思えた。所作は連綿と連なって因果を成し、ひとつたりとて無意味なものはない。緊密に絡み合いながら上り詰め、すっと下りに転じる。緊張がほどけることはない。凄みすら感じさせる行射。私は目をそらすことができない。
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