おねえちゃんへ、空の上から愛を込めて。
@kamame893
拝啓 おねえちゃんへ
おねえちゃん。
突然のお別れになってしまってごめんなさい。
おねえちゃんは、たくさん泣いてくれたけど、どうか自分を責めないで。
GW、おねえちゃんは私をじぃじとばぁばの家に連れていってくれたね。
わたしは小さい時、おねえちゃんが入院して二ヶ月ほどじぃじとばぁばの家で過ごしました。
だから、久しぶりにふたりに会えて嬉しかったんだよ。
でも五月の東北はちょっぴり寒くて風邪をひいてひまったみたい…。
おうちに帰ってから鼻水が止まらなくて、おねえちゃんはせっせとティッシュで拭いてくれたね。
「食欲がないよー」としょんぼりしてたら、お腹に優しいご飯を作ってくれた。
そして、病院に連れていってくれて…「抗生物質の注射をしたので、明日からこれを飲んでくださいね」ってたくさんお薬を出されたの。
注射は痛かったけどお医者さんに診てもらえてホッとしたおねえちゃんはワンワン泣いてたね。
いっぱい泣かせちゃった。
「2時間くらいは、安静にして…それからベッドに寝かせてあげてください」
おねえちゃんは先生の言葉をその通りに守ってくれたんだ。
でもね、お部屋を綺麗にしてもらって抱き上げてもらった時は、私はもう、ダメだったんだ。
ぼんやりと部屋の虚空から泣き崩れるおねえちゃんを見ていた。
冷たくなって、固くなってしまった体にはどんなことをしても戻れないと言うのに。
───本当は、もっともっとずっと一緒にいたかった。
ワーカホリックになりがちで、実は寂しがり屋で、私のことを世界で一番愛してくれたおねえちゃん。
ハリネズミの寿命は、おねえちゃんにとって一瞬だったみたい。
もし、本当に生まれ変わりというものがあれば、どうか人間になりたいな。
自分の言葉で伝えたい。
「─大事に大事に、いっぱい愛してくれてありがとう」って。
Fin.
おねえちゃんへ、空の上から愛を込めて。 @kamame893
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