宙を漂う

鳴深弁

シャボン玉



ふわっ


と浮かんで、


ぱちん


と弾けるシャボン玉。


大切に


大切に


壊れないように空気をいれる。


細いストローで、壊れませんように。と息を吹き込む。


大きかったり


小さかったり


様々なシャボン玉が、


私の手から離れていく。



ふわっ


ぱちん


光を受けて、


七色に輝くシャボン玉。



大きくあって欲しい


小さくても沢山飛んでほしい


一人浮かんで


重なり合うとぱちんと消える。



ストローから口をはなして、


独り微笑って


嗤った。



空になったシャボン液、


ストローには薄っすら膜が張っている。


しがみつく私のようではありませんか。


握り締めるように、手繰り寄せた。



飛んで消えていけ



そう祈るのに、



しがみつこうと生き願う私は、



宙を漂う。

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宙を漂う 鳴深弁 @kaidanrenb0ben

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