アラカルト13

アラカルト13

ここはどこだ?

深い雪山の中、道に迷ってしまった。

おい、息子、お父さん足を痛めたようだ。捻挫だ。先に行きなさい。お前だけが生きていればいい。

お父さん、頑張って！あ、小屋がある。この道を真っ直ぐに行くんだ。

小屋？どこだ。見えないぞ。

長男の大気は、自分の父親の大地の肩を横から支えた。

大気、もういい。大きくなったな。ここでお別れだ。

大丈夫だよ！お父さん、ほら、小屋が見える。あそこで吹雪が止まるのを待とうよ！

―――――――2日後―――――――

では、息子さんが傍らで支えてくれて、猛吹雪の中、小屋を見つけたのですね。そこで、休んで丸一日。息子さんがいない、とのことで大慌て。

但し、息子さんは、息子さんでお父さまとはぐれたとのこと。

いや、おかしな話ですね。どこまでが本当か。単なる垂れ込みじゃないでしょうか。そもそもね、

あ、失礼いたします。今、緊急速報が入ってまいりました。えーと、あ、〇〇山で遺体で発見された、え？、やだ同じ名前の小屋？

どうしました？湯水さん？

本当だよ。

今の誰の声ですか?!

トンネル通っちゃった。よく言うでしょ。