3.漫才に学ぶ創作方法

 漫才は好きですか?

 僕は好きです。

 というわけで、今回は漫才から創作の方法を学ぼうといったお話です。


 皆さんは漫才で大事なことは何だと思いますか?

 ネタの面白さ、ボケの上手さ、ツッコミのタイミング。色々あると思います。

 今回はツッコミに焦点を当てて創作方法説明していきます。

 え? ツッコミ? あんなのただツッコめばいいだけでしょ? そう思う人が大半だと思います。自分自身もそう思っていました。

 僕にはNSCに通っていた友達がいました。その子にツッコミの役割を聞いたとき、めちゃくちゃ感動したんです。同時にこれは創作における最もキモになる部分だとも思いました。

 その子はこう言いました。


 ツッコミとはボケを分かりやすくする為の役割である。


 これだけだといまいちピンとこないと思います。自分もそうでした。

 ちょっと例題を台本形式で書いてみます、


A「うぅ……ハァハァ」

怪訝そうにAを見つめるB

Bがポケットからスマホを取り出す

B「もしもし、警察ですか? 変態がいます」


 以上がツッコミのない状況です。

 何がおもしろいかわからないし、どっちがボケでどっちがツッコミかもわかりません。

 もう完全に変質者を警察に連絡しているだけの流れです。

 それではツッコミを入れてみます。


A「うぅ……ハァハァ」

怪訝そうにAを見つめるB

Bがポケットからスマホを取り出す

B「もしもし、警察ですか? 変態がいます」

A「ちょっと待てい! 今俺心臓押さえとったよな? 苦しそうにしとったよな! なんでいきなり警察やねん! どう見ても変質者じゃなくて病人やろ! 呼ぶのは警察じゃなくて救急車や!」


 みたいな感じです。Aがツッコミをしたことで状況がわかりやすくなったと思います。同時に警察に電話したことがボケ(変な行動)だったと理解できるわけです。


 要はツッコミはキャラクター。ボケは物語として扱うと良いってことです。

 ボケ(物語)を面白くするために、キャラクター(ツッコミ)をどう行動させ、どう物語を分かりやすく説明していくかが大事になってくるということです。

 第三者(物語外での作者の説明)を入れて説明することも可能ですが、やはりそこはキャラクターにやらせるべきだと思います。というかやらせなければいけません。

 物語外で説明やりだしたら、それはただのいいわけです。

 

 この辺を意識してみると、面白い漫才ってツッコミの誘導がすごいんですよ。本当にボケが分かりやすくなってる。だからこそ笑えて面白いものになってるなぁ……と。

 

 ボケは高度になればなるほどわかりづらくなります。それを分かりやすくするのがツッコミなのです。

 物語の創作も同じではないでしょうか?

 いくら重厚なストーリーでも理解できなければ、ただの難しいだけの長ったらしい話で終わってしまいます。

 それを、どういう形でどの程度わかりやすくする為のツッコミを入れていくか。ここが創作する側の腕の見せ所なんだと思います。

 涼宮ハルヒの憂鬱とかこの漫才理論の完成形だと思っています。あんな小難しい設定をあそこまでわかりやすく小説に落としてるの奇跡としか思えません。


 ちょっと話がそれました。

 以上のことを意識して漫才を見てみると新しい感性が生まれるかもしれません。ぜひ心に留めておいてもらえればと思います。

 個人的にはマヂカルラブリーの漫才が特にわかりやすいと思います。あれ、ツッコミの村上さんいないととんでもないことになる。


 最後に、今回はツッコミに焦点を置いて書きましたが、漫才は起承転結が綺麗にまとまっていて、そういった部分でもとても参考になると思います。

 やはり物語を書く上で大切なことは、完結させることです。


 以上で終わりになります。

 この度はお読みいただきありがとうございました。


 次はセリフだらけになるのはアリかナシかについて書きます。


 

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