終生飼養について考えてほしい

 保護猫の譲渡後に、里親さんの都合での飼育放棄相談が毎年あります。

 最後まで責任をもつということは、里親さん本人に死亡や病気などがあった際に、代わりに養ってくれる人を確保することも含まれます。

 近所の人と交流があれば、通いでお世話してくれる人を見つけておきましょう。

 知り合いに頼れる人がいないなら、ペットホテル利用やシッターを雇えるくらいの貯蓄をお願いします。


 家族がいるのに、代わりに養える人がいないと言われることも多くあります。

 筆者が保健所から引き出して、里親募集をしていた1匹の仔犬の話を書いておきます。


 その仔犬は、2世帯か3世帯か、十数人いる大家族に引き取られました。

 正式譲渡時の里親は、20代くらいの息子さんでした。

 譲渡時はたくさんの家族に可愛がられ、仔犬はとても幸せそうでした。


 それから約3年後のこと。

 飼い主に虐待されている犬がいるとの相談が、ボランティアから寄せられました。

 通報を受けた保健所の調査から、虐待されていたのは3年前に譲渡した仔犬だと判明しました。


 聞けば大家族はそれぞれ別居しており、里親だった息子さんも引っ越していなくなり、残された老夫婦の旦那さんの方が認知症を発症、犬を殴り続けているが奥さんには止められない状況ということでした。

 成人した息子や娘がたくさんいる大家族だったのに、その中に犬を引き取れる人は誰もいないとのことで、犬は保健所に再収容されたのです。

 家族がたくさんいても、まだ若い里親さんでも、安心はできないんだなと思った出来事でした。


 人間以外の家族にも、将来を考えてあげる配慮をお願いします。

 餌がもらえるからと猫を公園に棄てたり、認知症の親に押し付けて引っ越したり、思いやりのない行動はしてはいけません。

 最後まで愛情を注いで下さるようお願いします。



※保健所から引き出す前の子犬画像

https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093078338031020

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