姉妹ーとほん

【京都人】内田ミヤコ

第1話

ある仲良い姉妹の話をしたいと思います。姉妹ーとほんっていう話です。


私たち姉妹はいつもとっても仲良しなんです。妹は本当に可愛くって。いつも、お姉ちゃん!お姉ちゃん!とよんでくれます。

私はとっても可愛い妹を本当に大事に思っているので、いつ、どこにいるかわかるように。妹のスマホに。。。こっそり妹の位置が私のスマホでわかるアプリを入れました。妹には内緒です。だって私、妹のことが大好きだから。

ある日、妹がお友達の家に遊びに行ったきり、夜まで帰ってきませんでした。うちに連絡もありません。ほら、こんな時に役に立つアプリなんです。私は妹を探しに家を出て、アプリの指す位置を目指しました。妹は友達の家にはいないようです。アプリを見ながら歩いて行くと、街を離れて、国道を超えて、段々ひと気の無いほうへ。。。田んぼの畦道を歩いて、草をかき分けて、ほとんど森みたいなところへ来ました。

そのまま進むと、木々の向こうに真っ赤な池が現れました。まるで昔絵本で見た血の池地獄みたいな。池を覗き込むと、ゆらゆらと私の顔が写りました。妹の位置はここのはず。

すると!首筋にひやっと冷たい感触がしました。私はパッと振り返りました。そこにいたのは妹でした。妹は私の首筋をぺろっと舐めたのです。もう!姉妹でよくやる冗談なので、私はふふっと笑ってしまいました。

血の池から反射する赤い光に照らされた妹がこう言いました。ねえ、お姉ちゃん。今日の晩御飯は何?食いしんぼうな妹。私の可愛い妹。

今日はね、帰ったらお肉だよ。

んっんっんっ!妹は引き攣ったような声で笑って?います。笑顔が素敵な妹。

ねえ、それって。。。お姉ちゃんの肉?ふふっ。今度は私が笑ってしまいます。妹は冗談も上手です。そうかもね、じゃあ帰ろ。んっ!また妹が笑います。私は妹の手を取って家路につきました。

森を抜けて、、、田んぼを抜けて、、いつもの家の近くに来ると妹が急に、私の手を離して走り出しました。今日の晩御飯ってお魚かな!

妹は気まぐれ。毎日見ててとても飽きない、可愛い。

後日妹にあの日のことを聞いても妹は覚えてないと答えます。

妹は嘘つき。きっと将来素敵な女性になるわね。

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姉妹ーとほん 【京都人】内田ミヤコ @uttixi

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