第14話 チャンスの神様。

 それから一年後。

 またも久々に、チャンスの神様が現れた。

 神様の顔が、彼に似ているのは偶然なのか

 それとも、彼の願いのせいなのか

 はたまた、あたし自身の心の奥底で、ひっそりと根を生やして

 育てていた理想の幼なじみの姿なのか

 それは、わからない。


 マーくんそっくりの神様の

 前髪だけが、フッサリと風にたなびいている。

 あたしは、身構えた。

 駆けてくる神様が、横を通り過ぎる瞬間を狙って

 その前髪を、しっかりと掴んだ。


 ――やぁ、今度こそ捕まってしまったなぁ。


 神様は笑った。

 あたしも笑った。


 ――翌日。


 あたしはマーくんのお嫁さんになった。

 アサダ ミサト。

 それが新しいあたしの名前だ。


―― 完 ――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

CHANCE! 釜瑪秋摩 @flyingaway24

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ