りんりんりんと三輪草 🌼

上月くるを

りんりんりんと三輪草 🌼





 春の季語である一輪草(一花草いちげそう裏紅一花うらべにいちげ)or二輪草の句をまだ詠んだことがありません。理由は自分でも分かりませんが、ちょっと物語性があり過ぎるのかも……。


 一本の花茎が伸びる種のものを一輪草、二本の花茎を二輪草、三本の花茎を三輪草と呼ぶそうですが、いずれも真白な小花のひっそり慎ましいたたずまいは同じ……。


 手もとの歳時記の例句にも「一輪はまだつぼみなり二輪草 大石香代子」を含む三句しか紹介されていないので、もともと詠むのがむずかしい季語なのかも知れません。




      🌿     




 ところで、ヨウコさんがとりわけ惹かれるのは一輪草でも二輪草でもなく三輪草。

 なぜというに、子どもでも動物でも幼く弱いものを夫婦で守る家族の象徴ゆえに。


 先にひとつ目の花が咲き、あとを追うようにふたつ目の花が咲く二輪草の花言葉は「友情」「協力」「ずっと離れない」などですが、三輪草のそれは見当たりません。


 ちなみに、ひとつだけの素朴な花を咲かせる一輪草には「追憶」や「久遠の美」の花言葉が与えられており、ときを経ても変わらない永遠の美を表しているそうです。




      🌳




 歳時記の例を文字る「一輪はまだ莟なり三輪草」ではあまりに芸がないので(笑)オリジナルを一句詠んでみました。ただ季重なりになるのかどうか微妙ですが……。




 ――りんりんりん一輪二輪三輪草    (#^.^#)




 十分な水分のある丘陵地帯や山麓などの野山に目立たずに咲く、一輪二輪三輪草。

 トレッキングに出かける際には、踏まないように気をつけてあげたいですね。🙇




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りんりんりんと三輪草 🌼 上月くるを @kurutan

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