アストロノート・フロンティア

第3話

宇宙ステーションは宇宙空間から完全に隔絶されたシェルターのような場所だが、人工太陽や投影プラネタリウム、重力制御装置や、地表と同等の割合の酸素や窒素に保つための特殊な空調など、地上で暮らすのとほとんど変わらない生活を送ることができる。

実際、宇宙ステーションの中で暮らすという人も多いと聞く。

暗い宇宙空間の中を漂うというのは私にとってはあまり味わいたくないものだが、ある人にとっては住みやすい場所なんだろう。

そういうこともあり、宇宙ステーションは渡航する便を待つ間の暇つぶしにショッピングやレジャー施設を利用することもできる。

私は土産の品などを買い集めたり、喫茶店で暇をつぶしながらスペースシップが到着するのを待った。

私がスペースシップに乗り込めたのは宇宙ステーションに到着してから10日後のことだった。