7、好きになったのは、一体どっち?

「はぁ…」


私は、思わずため息を吐いた。


「なんだ?そんなに気持ちよかったか?」


「え!?な、何聴いてるんですか!!」


真っ赤な顔をして、私は恥じらった。今更…だけれど…。しかし、先生の意地悪は、終わる事を知らなかった。


ばかりなのに、また、私にくちづけをしてきた。


「ん…せ、せん…せい…!もう…体力ないですよ…」


「じゃあ、マグロにでもなってろ」


そう言うと、また、バスタオルをはぎ取り、私の胸を揉みながら舐めると、次第に、その舌は、私の股をvの字にして、舐め回し始めた。


「あ…ん…ああぁあ…んん…ん…せ、先生!だめです!!」


「…良い声を出すな…。こちらまで気持ちいい…」


そう言うと、激しいセックスが、また始まってしまった。自分が、濡れているのが分かる。つい5分前に、終わったばかりだと言うのに…。自分でも、自分がエッチすぎるんじゃないかと、不安になるほど、…高揚するほど、先生とのセックスは気持ちよかった。


でも、先生のセックスは、生易しいものじゃない。人をすごい格好にさせるし、フレンチ・キスはもう舌がなくなるんじゃないかと思うほど激しいし、乳首をつまむ指は、繊細なのに、大胆で、声を上げずにはいられない。そして、胸の揉み方に、先生には癖がある。下から持ち上げるようにすると、そっと人差し指で乳首に触れる。


「いやん…あん…あぁああぁああん!んんん!!!」


私は、自分でも恥ずかしいくらい声を出した。今までは、外だったり、学校だったり、声を出すことが出来なかったから、必死で抑えていたけど、本当は、今までのセックスの時は、声を出さないようにするのがもうたまらなくじれったかった。それもそれでよかったけど、こんな風に、思いっきり声を出せる環境も、余りに新鮮で、気持ちよかった。





それから、終わるまで、2時間、かかった―――…。




そして、それから、セックスは、4回、行われたのであった―――…。




「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」


もう体力も、気力も限界。さすがの私も、これ以上は濡れない。なんとも恥ずかしい格好で、床に倒れ込んで、両手で何とか胸だけは隠していた。すると、


「ふふふ…。気持ちよかったか?あんなに濡れるとはな…。お前も相当エロイ。でも、私のセックスを6回も耐えるとは、中々だぞ。お前は、心底可愛がり甲斐がある」


そんな、私にとっては、恥ずかしくて、恥ずかしくて、もう顔から火が出そうな体験を、そっと、裸の私に毛布を掛けてくれながら、そう声をかけてきた。むくっと、やっと私は起き上がると、少し頬を膨らませて、言った。


「先生…激しすぎるし、乱暴すぎるし、悪戯過ぎるし、意地悪過ぎです…。私の…声だって…あんなに…明らかに出させようとしましたよね?」


毛布で、体を包むと、私は、自分の声や、仕草を思い出し、恥じらいながら、先生のセックスに文句を並びたてた。


「なんだ?そんなセックスをしたかったんじゃないのか?それをお前がもう望まないなら、しないぞ?」


「…だから…先生は意地悪だって言ってるんですよ!そんなの、して欲しいに決まってるじゃないですか!!もう!!先生の意地悪!!」


私は、プイッと顔を横に振った。


「はっはっはっ!!正直者だな。本当に可愛い奴だ。莉子」


そう言うと、グイッと私の顔を右手で引き寄せると、また、くちづけをした。


「…くちびる…腫れちゃいます…」


恥ずかしさで、瞳が、また潤む莉子。それを見て、また、意地悪な笑みを浮かべる珂玖弥。その笑みに、莉子は、また、不機嫌な、ご機嫌になる。






「ねぇ、珂玖弥先生?私たちの関係…バレたら…私は退学で、先生は辞めさせられちゃうんですか?」


1時間ほど経って、ようやく一息ついた莉子が、出された紅茶を飲みながら、真剣な顔をして、珂玖弥に聞いた。


「そうだな。そうなるだろう。怖いか?」


「私より…先生の方が心配です。私は…大検とか、色々進学の手はありますけど、先生は一度辞めさせられたら…」


「だからだ」


「え?」


「言っただろう?『恋は、隠してなんぼ』だと。こんな事、恐れていて出来るか。それと、言って置く。私が生徒に手を出したのは、莉子が初めてだ」


「…え…?本当ですか…?」


「まぁ、勿論、他の女とは経験はあるぞ?だが、生徒に手を出すほど、困ってはいなかったからな…」


「じゃあ、なんで、私を…」


「…そんなこと、言わなければ分からないのか?」


「分からないですよ。わざわざ危険を冒して、相手に困ってもいないのに、生徒なんかに手を出すなんて、どうしてですか?」


「……どうしても…言わなければならないか?」


「で、出来れば…」


「何も言うほどの事ではない」


「教えてください!」


真剣な莉子の瞳。珂玖弥の顔も、少し、赤く見えるのは、気のせいだろうか?


「…、言っただろう。『あんた、可愛いね』と…」


「え?あ…先生と初めて会った時…」


「いや。初めて、キスした時だ」


「!」


「…一目惚れと言うやつだ…。莉子が、余りにタイプでな…。つい、キスをしてしまった。学生服を見る余裕もないくらい、惹かれたのだ。私のクラスにいた時は、驚いたし、やばいと思った。気持ちを、抑える自信が無かったからな…」


「先生…。私…絶対、隠し通します!!この、恋を!!」

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恋心、隠してなんぼ。 @m-amiya

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