永遠の仲良しは、永遠に不滅だ!
缶の蓋の裏側には、
『開けるな!危険!これは田中優斗と小杉圭太のものだ!』
と、書かれていた。
「バカだなあ。蓋の裏に書いたって、そんなの蓋あけなきゃ誰も読めないじゃないか!」
優斗のこともだけど、当時の自分のバカさ加減にも笑えた。
それから、缶の中を見る。
「そうそう、未来の俺たちにお互いに手紙を書こうって言ってさ、2人して書いたんだった。」
缶の中には、当時流行っていたであろうキャラクターのメモ用紙が二枚、二つにおり畳まれた状態で入っていた。
そっと、メモを開く。
―俺と圭太はまだ一緒にいるか?いるな?いるだろう!俺たち永遠の仲良しだからな!―
―優斗は俺の親友!永遠の仲良し!俺たち何してるかな?彼女とかいたりするのかな?モテてるかな?ー
メモの中身を読んで、思わず吹き出してしまった。
俺たち全然変わってないな。
『永遠の仲良し』
俺たちにとって大切な言葉。ずっと変わらないこと。
「零理、見つけてくれてありがとう!嬉しいよ、これを届けてくれて。本当にありがとう!」
「うん。」
圭太と零理は、しばらくブランコに並んで座っていた。
夕日が沈みかけた頃、圭太が口を開いた。
「ごめん。付き合わせちゃったな。もうすぐ暗くなる。帰り送るよ。」
「大丈夫!一人で帰れるよ!」
「本当に送っていかなくて大丈夫なのか?」
「うん!僕、今日1人で圭太さんちに行けたし。まだやることあるから。大丈夫!」
「じゃあ、行くけど、何かあったらすぐに連絡するんだぞ。」
携帯を見せながらそういうと、
「じゃあ、またな。零理。」
そう言って、圭太は、公園を後にした。
「うん。またね。圭太さん。」
圭太は、いつの間にか零理のことを呼びつけにしていた。
零理は、それがなんだかとても嬉しかった。
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