第1話 〈金銀龍の姉妹〉

朝の燦々と太陽の日照りがアスファルトを熱しながら、人々はその熱されたアスファルトの上を歩いていた。

あるものは、会社へ。

あるものは、学校へ。


そんな中、ロングで綺麗な銀髪を揺らしながら金眼の中性的な顔立ちをする長身な男性が学校へ向かっていた。


(はぁ...今日も周りに見られて憂鬱だな..なんか楽しい事でもあったら良いのに)


そういう彼の名前は【銀龍白玲】銀龍カンパニーの御曹司であり創武冒険者高等学校の生徒である。


「おいおい...機嫌悪いな、大丈夫か?」


「あぁ..涼真か。気にしないでくれ周りに見られて嫌気が差してるんだ。」


「あぁ...成る程..」


この周りに睨んでいる男性は【鬼道涼真】俺の同級生であり、俺の父親の秘書である【鬼道神楽】さんの息子だ。俺が(憂鬱だなぁ...)と思っていると、涼真が話しかけた。


「今日の1~2限で魔力測定とskill測定が行われるらしいぞ。どうなるか楽しみだな!!」


そう、今日の1~2限で高校1年生の魔力測定及びskillがあるかそれ用の宝玉で調べるらしい。

因みに2~3年生は全員が測り終わっており、冒険者として戦っている。


「あぁ、今日ばかりは趣味をお預けだな。どうなるのかは分からんが...」


「まぁ、お前だったら遺伝skillはあるだろうな。」


「無かったら、事実上血縁関係じゃないって言われるもんだぞ?あってくれないと困る。」


「あ、そっか。だったら早く行くぞ!!」


そういう涼真が俺の腕を掴んで、ダッシュする。


「なっ?!ちょっと待て!?急いだって時間は早くならねぇぞ?!!」


そう言いながら、俺と涼真は1限が始まる20分前には学校に到着した。


「はぁ..はぁ..おい涼真、俺が体力無いの知ってるだろ?ちょっとは走るの遅くしろよ...。」


「まぁまぁ良いじゃねぇか。」


お互いが席に付き談話していると、続々とクラスメイトが席に座ってゆき、最後に先生が入ってきた。


「おっ、もう集まってるな。さて、俺の話を...って待ち切れんっぽいな。なら、少しだけ説明するぞ。まず宝玉に....」


先生が電子黒板に文字を書き込んでいく。


「まず、お前達の手の甲に出来ている痣は冒険者になれる絶対的な証拠だ。そして後で体育館でやるんだが、宝玉に手のひらを押さえつけると宝玉が違う色に染まっていく。魔力量が少ないと青。その次に赤。そこから黄色、水色、灰色。そして、最後に黒色だ。そして、その後はこう言うんだ。"ステータスオープン"とな。そうすると___」


そう先生が言うと、手の甲から板みたいな物が空中に出てきた。そこに表示されているのは...


ーーーーーーーーーー


年齢28歳


性別男性


Lv148


名前動乱 鳳凰


HP1029


MP162


STR256


DEF586


AGI103


《skill一覧》

【挑発】【絶対防御】【身代わり】


《称号一覧》

【なし】

ーーーーーーーーーー


こう書かれていた。


「このように年齢と性別、Lvと名前とステータスが5項目そして、skillと称号が書かれている。...おっと。少しだけ時間がオーバーしてしまったな。さ!体育館に行くぞ!」


ぞろぞろと教室から出ていくクラスメイト達。そこに合わせながら、俺と涼真も教室を出ていく。

全員が出たあと、出た部屋の空間に亀裂が空いた....


その頃、体育館では


「さて、名簿順通りに宝玉に触っていけ。」


そして名簿順に宝玉に触って行き、涼真の順番になり、宝玉に触ると”灰色”に宝玉の色が変わった。


「え...?」

と、か細い声を出しながら涼真は驚く。そして全員も呆然とする...。何故呆然としているか。それは現代においてちょうど”100人目の灰色を出した人”だからだ。

かくいう俺も開いた口が塞がらない...。

少しの間を空きながら、クラスメイトが大喝采する。


「うぉぉぉ!?涼真!良かったなぁ!灰色だぞ!灰色!」


「お..おう。信じられねぇ...まじかよ....っ!」


「てことは...銀龍もこれかこれ以上の結果になるんじゃねぇか!?」


俺は目を見開く...なぜそんな考えをする?そんな気持ちを抱きながら、宝玉に手を添える。


そうすると宝玉の色が変わっていく____


何色だ!?何色なんだろうな?!と歓声が増えてく。


宝玉の色は...”蒼色”


「...はぁ..結果は分かりきってたか。」


「おい...大丈夫なのか?」


そう心配な顔で涼真が聞いてくる。


「ん?何がだ?」


「いや...宝玉の色が....」


「あぁ..神様は非情だな。良かったな涼真これでトップ冒険者になれるぞ。」


「何でッッ!!平気そうな顔してんだッ?!」


そう言いながら俺の襟を掴んでくる。


「ッ...すまん。苦し"い」


「あっ...すまん!」


俺が苦しいと言うと、涼真が掴んでいた襟から離す。


「まぁ..俺は後方でお前達の活躍を見守ってるからよ。頑張れよ。」


「ッッ!!....分かった。おい、みんな頑張るぞ!」


「「「おぉぉぉぉ!!」」」


「先生、俺早退しますね。すみません。」


「あ...おう...大丈夫か?」


「えぇ...心身共に大丈夫ですよ。じゃあ先に失礼します。」


俺は早退する旨を先生にいい、教室になる早で向かった。そうすると、空間に亀裂が空いていた___


「は?なんで...亀裂が...?」


《第2魔力所有者銀龍白玲を確認。これより【専用世界】にアクセスします。......アクセス完了。》


《転移開始》


「は?...ちょっ!?!」


俺は急いで鞄を持って教室を出ていこうとすると、目を見開く光景が広がっていた。

一面が石と恐らく魔力石が嵌め込まれた部屋に居た。


(なんだ?この空間...先程の声は一体...?だが、なぜだ?この違和感は...?)


「まずは...”ステータスオープン”」


手の甲から出てきた板にはこう書かれていた。


ーーーーーーーーー


年齢16歳


性別男性


Lv1


名前銀龍 白玲


HP1000


MP10万


STR1200


DEF1200


AGI1300


《skill一覧》

【銀龍化】【金龍化】【銀龍の威光】【金龍の威光】【銀龍眼】【金龍眼】


《称号一覧》

【世界初の第2魔力所有者】【銀龍に見初められた者】

【金龍に見初められた者】

ーーーーーーーーーー


「は....?なんでMPがこんなにも高いんだ....?いや、あとの5項目も高過ぎるだろ。それに、なんだ?このskillに称号は...?....まぁ、考えてても無理だな。もっと頭がイカレそうだ。それに、この先に行けば自ずとわかりそうだからな。」


そう、銀龍はなぜだか知らないがこの先に行けばこのステータスもskillも称号もわかる気がするのだ。


「なら、行くか。」


コッコッコッと足音を鳴らしながら、石と魔力石が嵌め込まれた明るい道を歩く。歩いて感覚で数分位で開けた空間に出た。一面草原で少し先の丘の上で二匹の龍が居た....


「.....ガッッッ!!?痛てぇ...。頭痛がひでぇ..手の甲も熱い...だけど..行かないと...”彼女達が待ってる”っ!」


ある程度の距離を頭痛や手の甲の熱さに耐えながら、歩くと声に表せない物の中に入った。多分結界だろうそれも上位の結界だ。そう思っていると、二匹の龍が変身して、俺と同じぐらいの年齢の女性になった。

一匹?一人?の女性は俺と同じロングの銀髪で、もう一匹?一人?の女性はロングの金髪に俺と同じ金眼をしていて遠くから見たら、それぐらいしか判断材料が無かった。


「「おかえりなさい。私達の主(マスター)」」


「あぁ...ただいま。」

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金と銀の龍姉妹を従える者、世界を救う @vanbeed

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