第6話⑥

 度重なる苦痛と幸福。繰り返されていく日々と選択。裏切り、和解、別れ、決別、出会い、愛、憎しみ、全ては繰り返される。その分心は大きくなれる、小さくなる、強くなる、弱くなる……鬱積……積もる悲しみと空しさ……叫び声……誰の?僕?私?おれ?……誰もが主人公であり、大半が望まない結末を迎える……惨めな人生を何とか肯定して生きていく日々……嘘、嘘、嘘……それも真実よ……誰か助けて!!ここから、この苦しみから!!そこに誰かいるの!?……見えた人影は、鏡に映る少し疲れた顔をした自分自身…………誰もいない……最初から……。


 男は何か悲しい気持ちになり、涙がこみ上げてきた。

東の地平線から空へと昇るあの黄金色の太陽は、希望の象徴か、絶望か…………。


 「今日」がまた始まる。

                 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

叙情の陰り @mizukawas

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ