ロートスの実のソルベ:物忘れ

 今日はあれの話をしようと思う。あれだよあれ、あれ!


 昔から物忘れが激しい。

 プレゼンさせて気に入ったらお金あげますよでもプレゼンはポスター一枚以外持ち込み不可みたいなやつで頭の中が真っ白になったことがある。

 私は何を話そうとしているのだろうか、いや、そもそも何のためにここにいるのだろうか。

 地獄の数分間であった。


 そこまでいかなくても良く物忘れする。

 紙の辞書を使って外国語を学習していた頃、同じ単語の意味だけを確認するため(語法や用例などを確認するのは除く)に一定回数以上ひいたら「バカ」と記すというルールをつくった。すると辞書のあらゆるページに赤ペンで「バカ正正正」と記してある人前で開けない辞書ができあがった。そもそも記憶することが苦手なのかもしれない。


 かと思えばどうでも良いことはいつまでも憶えている。

 異性にふられたときの言葉、人にけなされたときの言葉、食べたかったものが食べられなかったときの記憶なんてのは記憶の神殿の特等席に居座りやがって、ことあるごとにでかい顔で突っ込んでくるのである。


 恥の多い生涯を送ってきました(う◯ち漏らしたときのことを思い出しながら*)。


*:そういえば、あまり関係ないのですが、先日ひとつ短編を投稿しました。約束の地を求めてあがくものたちを描いた現代ファンタジーです。今回だけ「注」ではなく、*を用いていることに特に深い意味を読み込まないでください。

『約束の地まで』

https://kakuyomu.jp/works/16817330660608711495/episodes/16817330660608727721


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