第4章 錯綜する思惑

第4章 主な登場人物


第4章 主な登場人物


※階級・年齢は帝国暦385年のもの。


==〖帝国〗 =======

【帝都 コナリイ陣営】


◆コナリイ=オーラム

帝国宰相・ネムグラン元帥の娘。

東都は東征軍のオーナー・アルイル上級大将の妹。

父の威光により12歳にて帝国准将の地位にある。

年齢の割に小柄かつ華奢きゃしゃ

父に似ず(良かった)淡い金色の髪と水色の大きな瞳、白い肌を持つ美少女。


◆ファーディア=モイル

コナリイの傅役もりやくであり、帝国陸軍中佐の24歳。

漆黒の髪を七三に分け(整髪油で七の髪を側頭部へ流している)、縁なし眼鏡をかけた伊達男。

兵馬の進退において采配を振るわせては、コナリイ陣営随一。

落ち着き払っており、喜怒哀楽の表情に乏しい。

彼が着座瞑目めいもくすると、周囲の空気までじゃくとするほどである。

しかし、レイス隊の副長を前にすると……。


◆イアン=ダーモット

剣の腕は一流の帝国陸軍少佐。

コナリイのイタズラ被害者1号。

やや垂れ目ながら、整った面差しの27歳。

イケメン剣豪ながら、何につけても間が悪く、コナリイに振り回される――残念なハンサム。




【コナリイ麾下・レイス一党】

◆セラ=レイス 

甘味と昼寝が何よりも好きな帝国陸軍中佐。

紅毛にあおい眼、長身が特徴の28歳。

物事の本質を見抜く怜悧れいりな眼を持つ屈指の作戦立案家だが、その気質は基本的に怠惰。

ヴァナヘイム戦役最終盤にさしかかり、帝国宰相命令によって部下たちと共に帝都はコナリイ陣営に栄転。

新陣営では、軍事編成改革や砲兵指南を任される。


◆キイルタ=トラフ

レイス家に代々仕えてきたトラフ家の息女。

灰色の瞳、蒼みがかった黒髪が美しい帝国陸軍中尉。

帝国東征軍参謀部・レイス隊女性副長。

レイスの腹心。

彼への想いは、隠しおおせているつもりの26歳。

長い(重い)片思い…。


◆アシイン=ゴウラ

帝国陸軍少尉。

帝国東征軍参謀部・レイス隊の先任少尉。

巨漢、厚い胸板、太い腕、筋肉だるま。

快活な性格ながら、暑苦しい。


◆アレン=カムハル

帝国陸軍少尉。

レイス隊の将校。

喜怒哀楽に欠け、猫背と左目にかかった前髪は、やや神経質そうな印象を与える。

根暗だけど、実務の腕は隊内一かも。

バイオリンをはじめ弦楽器をそつなくこなす。


◆ニアム=レクレナ

帝国陸軍少尉。

帝国東征軍参謀部・レイス隊の若輩ポンコツ将校。

蜂蜜色のボブヘアが躍動的。

天然(仕事)と積極性(恋愛?)のハイブリッドな乙女。



【東都 アルイル陣営】

◆アルイル=オーラム

帝国陸軍上級大将。

帝国宰相の嫡男(ネムグランの正妻・クリーナの連れ子)にして東岸領の総統。

東征軍のオーナー。

肥満体で醜怪な容貌から、「歩くラード」・「脂身」・「肉塊」など陰口が絶えない。

無類の女好きな34歳。


◆ターン=ブリクリウ

帝国陸軍大将。

アルイルの傅役。

瘦身長躯にして狐のような容貌の69歳。

ポマードで撫で上げた黒髪、黒い外套・黒い軍靴から、レイスが付けたあだ名は「黒狐」。

帝国東岸領にて絶大な権力を有する。




==〖ブレギア国〗 =======


【若君と補佐官】

◆レオン=カーヴァル

ブレギア先代国主・フォラ=カーヴァルとその愛妾・エジンの子。20歳。

淡い金色の髪と水色の瞳は、母親譲り。

四男・側室の子のため、母方のオイグ家を継ぐものとされていた。

ところが、兄たちが早世したため、学問の師にラヴァーダ、剣術の師にバンブライを付けられ、ブレギア国嫡子として育てられる。

父王を超えるべく、戦いを求めていく。


◆ドーク=トゥレム

レオンの筆頭補佐官。

頭のキレは補佐官随一の26歳。

中背だが痩せ型で線が細い。

くせ毛の黒髪と三白眼、それに神経質な声の持ち主。


◆ムネイ=ブリアン

レオンの補佐官。24歳。

補佐官一のファイター。

小太りでややお調子者。


◆マセイ=ユーハ

レオンの補佐官。23歳。

軍政のバランスに優れる。


◆ダン=ハーヴァ

レオンの補佐官であり、乳兄弟ちきょうだい。21歳。

後継者争いを避けるようにして草原へ渡って来たレオンとともに育つ。



【御親族衆】

◆フォラ=カーヴァル(故人)

先の帝国皇帝・第八皇子。レオンの実父。

立ちはだかる敵を次々と粉砕し、武断で草原の国をまとめたブレギア先代国主。

堂々たる体躯で周辺諸国から「小覇王」と恐れられるも、病に勝てず帝国暦383年9月崩御(享年45)。


◆ウテカ=ホーンスキン

ヴァナヘイム先代国主・フォラの義弟(実妹・リサが先代国主の正妻だった)。

草原の旧官途名「ジャルグチ」を自称するようになる45歳。

ホーンスキン家は、ヘールタラの地の代官を数代務めた帝室の遠縁。

ぎょろりとした脂っこい眼に妙な光をたたえている。

163センチと小柄で痩せぎす。丸顔にはあばたが目立つ。

一族の旗印は「シロツメクサ」。ウテカの旗にだけ「星印」が追加されている。

ヴァーガル河会戦での失策により、主導権をレオン一派に奪われた。


◆ケルトハ=ホーンスキン

ウテカの一人息子。20歳。

レオンの幼馴染。

薄茶色の髪・父親譲りの大きな瞳。

165センチとやや小柄。


◆ブラン=ホーンスキン

◆スコローン=ホーンスキン

ウテカの一族。

一族共通の大きな両目を持つ。

ウテカとは異なり2人とも巨躯。



【宿老衆】

◆キアン=ラヴァーダ

帝室第八皇子・フォラ=カーヴァルの幼馴染。

長くたおやかな銀髪と淡いすみれ色の瞳を持つ美丈夫。

あだ名は「貴婦人」44歳。

ブレギアの歩く不敗神話。

古今東西あらゆる知識が詰まった頭脳は、さながら「歩く帝立図書館」。

流浪の身となった皇子を支え、戦場に臨むこと50余度、常に勝利をもたらす。

ブレギア建国後は、同国の宰相に就く。

草原と畜産しかなかったヘールタラ(旧ブレギア国名称)の地において、殖産しょくさん興業に尽力。

大陸最強との呼び声高い銃騎兵「騎翔隊きしょうたい」の生みの親。

政治家として辣腕らつわんを振るうだけでなく、常に陣頭に立ち続ける。

レオンの世話役 兼 学問の師。

旗印は「花びらに疾駆する馬の斜め半身」。


◆ダグダ=ドネガル

帝族の血を引く、フォラ=カーヴァルの血縁者。50歳。

真面目なアリアク城塞司令官。

卓越した軍事・内政能力を有し、第八皇子の頃から長らくフォラ、続いてレオンを支える。

地味で根暗なのが災いし、ホーンスキン一族から疎まれる。


◆アーマフ=バンブライ

フォラ=カーヴァルを第八皇子時代から支えてきた宿将筆頭。

白髪白髭、下がり白眉のもとにある瞳が特徴の76歳。

若君・レオンの剣術指南役を先代国主より仰せつかるほどの武具の達人。

その一方で、物静かに書物をたしなむ文武両道の名将。


◆クェルグ=ブイク

若き頃より第八皇子(先代国主)を支えてきた武断派の宿将。

ブレギア軍きっての戦上手。

苛烈な性格に負けぬほどの戦闘能力を有する。

側頭部以外は毛髪が寂しい68歳。


◆ベリック=ナトフランタル

宿将のなかで最も武力に秀でた将軍。

常に「ブレギア軍最強」の枕詞を有する。

兵馬を進退させても、バンブライ・ブイクに引けを取らない。

潔いスキンヘッドの71歳。


◆エヘ=ボルハン

ラヴァーダの見出した生粋のヘールタラ人。

183センチと堂々たる体躯には、浅黒い肌と黒髪、それに猛禽類のような鋭い瞳を備える。

口数が少なく、いつも怒っているような印象を与える。

実は子ども好きながら、強面こわもてで寡黙なため嫌わてしまう63歳。

旗印は馬のたてがみ


◆ソルボル=ブルカン

浅黒い肌と黒髪を持つ生粋のヘールタラ人。

ラヴァーダによって見いだされ、一軍を任されている67歳。

中背をよろう全身の筋肉は健在も、髪には白いものが混じる。



【首都・ダーナ】

◆ローナン=アルレル

儀典を統べる文官。


◆エタル=アニュヴァル・ロディ=メイヴ・アンガス=オーグ

王都駐留の武官たち。

宰相・キアン=ラヴァーダを敬愛している。


◆エレモン=ミレシアン・デイヴィッド=ミレシアン

王都駐留の武官で実の兄弟。





【作者からのお願い】

第4章も「航跡」を宜しくお願い致します。


時系列としては、概ね第3章の続きとなりますが、カメラはブレギア・帝国とを行き来することと思われます。



【予 告】

次回、「ぐーたら参謀の新婚生活? 上」お楽しみに。


居住棟の一室では、帝国陸軍中佐・セラ=レイスが新聞を片手に、副官キイルタ=トラフ中尉が用意した食事をつついていた。


朝食とも昼食ともいえぬ中途半端な時刻にもかかわらず、レイスは寝癖で波打つ紅毛を直すこともない。もっとも、トラフもこの日は朝から蒼みがかった黒髪を下ろしていた。


アリアク城塞都市の内部とはいえ、ここまで郊外に来れば軍需物資輸送や隊商往来の喧騒も薄れている。


鳩の間延びした鳴き声すら、ゆったりと流れていた。

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