第8章~催涙雨~
世界が変わってしまった。
ソンギョンの見えていたものがことごとく
上はどちらであろう…
下はどこであろう…
右は…
左は…
何もかもが分からず、見分けがつかず…
苦しみの沼に沈められ、沼の泥がソンギョンを
ソンギョンは今日もジョンウからもらったポンジョム(かんざし)の見事な
時おり、ソンギョンの世話を幼少の頃からしてくれている、少し年長のユナが食事や茶の用意を運んでくれ、しばしの話し相手になってくれる。
しかし、ヘジョ、ソル、シムソ君、ジョンウ、の話には一切答えてはくれなかった。
家族とも会えず、ただ1人自室で日がな一日を過ごす日々が続いていた…
ソンギョンお嬢様が都河港から帰られてから、私ユナの生活は
あの日、都河港へ遊びに出掛けていたソンギョンお嬢様の妹、ヘジョお嬢様が変わり果てた姿で戻り、お屋敷は
ヘジョお嬢様がお屋敷へ到着して間もなく、旦那様であるホン・ジュギル様は
旦那様は、
おまけに、ヘジョお嬢様と共に都河港へお出でになっていた、ソンギョンお嬢様はいつまでたっても戻られることなく、使用人の私には何も知らされず、
私にとって、ソンギョンお嬢様は主と言うに
私が洪家のお屋敷に
お嬢様は、お顔立ちが美しいだけでなく、お心も美しくお優しく、私たち使用人にも
そんなお嬢様が、あの日都河港から眠られたままお戻りになってから、旦那様をはじめ、奥様、上の
本が何よりもお好きだったお嬢様は、本を手に取ることもあまりなくなり、1日のほとんどを都河港から持ち帰られたポンジョムを眺める生活をしておられます。
そのポンジョムは、以前何度かお目にかかったことがある、都河港にお出でのシン・ジョンウ様からの贈り物でしょうか…
お嬢様がポンジョムを贈られて大切にされるのは、おそらくジョンウ様からのポンジョムしか思いあたらない、という私の
ヘジョお嬢様が変わり果てたお姿で戻られてから数日、旦那様が雅都宮から戻られても、以前は笑いが絶えなかったお屋敷も、そこで生活している主人家族、使用人の心も、全てが雲に覆われている様な薄暗いお屋敷に様変わりしました。
先日、やっと戻られたソンギョンお嬢様は、ヘジョお嬢様のお話を知らされていない様子で、始めのうちは何度も何度も訪ねられましたが、そのうち諦められた様子で、ヘジョお嬢様のお話はされず、当たり
ソル公主様やシムソ君様、ジョンウ様のお話もお
私もあまり外出を命じられることもなくなり、私用で許可を頂ける
私の推測ですが、ソンギョンお嬢様と外部、世間、との関わりを
主人家族に何が起こったのでしょうか…
このお屋敷の
そして、大好きなソンギョンお嬢様のお幸せをお祈り申し上げております…
ミギョンは
このままでいいはずがない…
しかし、ソル公主が
心優しいソンギョンは、必ずソル
2人の顔を知らぬとはいえ、誰が見ても身なりの良かった、ヘジョとシムソ君がどうなったか…
相手は
鮮国の
今回のことでよく分かるように、この先も
そのような
ソル公主が旅立つまでの
と自身にも何度も言い聞かせていた…
都河港から眠ったまま帰宅し、10回目の朝を迎えた日…
その日は朝から屋敷内が騒がしかった。
使用人が走り回る足音、聞き取れぬが何やらの話し声、何かは分からぬが何かを運ぶ台車の車輪の音…
それらが入り混じった、いわゆる通りの両側に元気のいい商店が
『何やら屋敷が騒がしいわ。何があったのかしら…。』
少し窓の戸を開けて、外を確めてみる。
全ての戸と窓が固く閉じられ、開けられぬ状態になっていたが、ある日突然開けられる戸が1つだけあったのが判明した。
後に分かることだか、
喧騒の原因は屋敷中の金品、
自分は知らされてはいないが、何かがあったのだろう…
戸を静かに閉め、戸棚に隠してある
靴も質素なものを隠し持っており、それを戸棚から出してくる。
ソンギョンは、祖父のヒョイルの教えを大切に…
様々な身分の韓服を
着替え終わり、そっと窓の戸を開けて外を覗いてみる。
『誰もいないわ。』
と、戸を大きく開き、そっと外へ出る。
辺りを見回して、誰もいないことを確認して屋敷の裏道へ続いている比較的、低い塀をよじ登る…
塀を越えて、屋敷の裏道へ出た。
『うまくいったわ…。』
急いで屋敷から離れるために、小走りをする。
最初の目的地は、ムアン大君の屋敷である。
まずは、あの時ソルに何があったのか確めたかった。
ムアン大君の屋敷は、ソンギョンの住む屋敷とそう遠くない場所にあり、すぐに屋敷の屋根が見えてくる…
が、ムアン大君の屋敷の辺りの通りは、何やら
不思議に思い、戸を叩いて中の者を呼ぼうとした手を、誰かに捕まれた…
振り向くと、カン・ジフであった。
『!?ジフさま…お久しぶりでございます。ソルに会いに参ったのですが…ムアン大君さまのお屋敷が静まりかえっておりますが、何かあったのでしょうか…』
と尋ねるソンギョンに、ジフは目を細めた。
『ここでは人目につく。場所を移そう。』
そう言ってソンギョンの手を離し、後をついてくるように
ジフはソンギョンが何も知らされてはいないことを、今しがた知ったのである。
自分の口から話してよいものか…
と、歩きながら考えていた。
ムアン大君の屋敷を越えて、少し歩くと林がある。
毎年、その季節風で
その季節風を防ぐ、
その林の入口辺りで話を始めようとジフが足を止めてソンギョンを振り向くと、ソンギョンの少し後ろを次兄のダオンが
ダオンは、さすが近所で洪家の兄弟は…
と評判になるだけあって、戸を開けておいてはいたが、そのまま捨て置いていたのではなく、
ジフはダオンを見つけ、こちらへ到着するまでソンギョンには何も話さず、黙って待っていた。
立ち止まったまま何も話し出さないジフを不思議に思い、ソンギョンはジフの視線が向かう方側へ振り向くと…
次兄がこちらへ向かって歩みを進めていた。
2人に追いついたダオンは、ソンギョンを背に
『ソンギョンをこんな場所へ連れてきて、何を話すつもりであった?…』
ダオンは、
ソンギョンは次兄の背中しか見えず、兄の声を黙って聞き入っていた。
『ソンギョンが病み上がりの体だと、知っておろう。そなたが焦っているのは分かる。が、病み上がりのソンギョンを巻き込んで、何か得られるものがあるのか?ソンギョンが関われば、さらにこじれるのは
ダオンとて、できることならば力になってやりたい。
しかし、
おまけに、
『話が以上ならば、ソンギョンは休ませねばならぬゆえ、連れ帰るぞ。ジフ、強うなれ。目に見えることだけが全てではない。必ずや、次の機会がやってくる日がある。それまで耐えるのだ。』
ダオンはそう言い残して、ソンギョンの手を引いて、後ろへ反転し歩き始める…
しばらくダオンとソンギョンの背中を、黙って見送っていたジフだが、ややあって2人の背中に大声で呼びかける。
『ソンギョン!ダオン殿!…ソルを!ソルを助けてはくれぬか!もう
と、ジフが最後まで話しきらぬうちに、ソンギョンはダオンの手を振り切り、ジフのところまで戻る…
『わたくしが眠っている間に、何がおこったのです!ソルは…ヘジョは…シムソ君は…皆に何があったのです!ソルはどこにいるのです?ヘジョの怪我はどうなったのです?…』
ジフの
『待て!私から話す。どのみち、知らぬままいられる程、世は甘くもないし、知らぬままでおれる程にソンギョンは
五感がだんだん嫌な方向に引き寄せられていくのが分かる…
脳の思考が
ソンギョンは、全身を
ミシリ…
ミシリ…
と体なのか心なのか、ソンギョンの何かが裂けていくような感覚に覆われて、
今度こそしっかりと次兄に手首を捕まれ、足早に歩く次兄の歩幅には及ばないソンギョンは引っ張られながらの小走りで去っていく。
ジフは拳を握りしめ、下を向いていた…
最後の頼みの綱を断ち切られてしまった…
自分とソルは、縁がなかった、のだと諦めればいいのだろうか…
諦め切れぬから、こうしてソンギョンの優しさに期待したのだ…
どこまでさかのぼれば、この状況に至らなかったのであろうか…
何をどこで自分は間違えたのか…
いや。
間違えてはいない。
これが、ソルと自分の結末であったのか…
いつまでも答えの出ぬ問いを
ソンギョンは、次兄に訪ねる。
『ヘジョはどこにいるのですか?お兄さま。ソルには、どちらへ参れば会えるのですか?シムソ君は、ムアン大君さまは、お屋敷にお見えにならぬのですか?…お兄さま、お答え下さい。』
『お答え頂けぬのであれば、戻ってジフさまにお聞きして参ります!』
普段はおっとりしているソンギョンであるが、一度こうと決めてしまうと、誰にも止められず、他の言葉は
そんなソンギョンが怒りを込めて次兄に詰め寄ったかと思うと、また元の道にきびすを返し、ジフの元へ走ろうとする。
次兄は、次兄でソンギョンの兄であるからして、妹の行動はきちんと予測している。
すぐに、手を握り直して自分へと引っ張り戻した。
『!?痛!!』
ソンギョンは、次兄を怒りに任せて
『お話頂ける気になりましたか?お兄さま…』
ソンギョンは、再度確認をした。
『分かっておる。ただ、内容が内容ゆえにどこでも話せる話ではない。場所を変えるゆえ、黙ってついて参れ。全く…』
とダオンはそう伝え、首をため息交じりに左右にふりながら、足早に前をゆく。
ソンギョンが
戸を開けて入ってゆく次兄に小走りでついてゆく。
小屋の中へ入ると、一見するとどこにでもあるような山小屋で、山仕事に使う道具が納められており、納屋の様なしつらえであった。
奥に進むと、ある場所でダオンは立ち止まり、床に敷き詰められている
すると、上から紐が垂れ落ち、その紐を引くと、上から階段が降りてきた。
本で読んだ「からくり」と呼ばれる、
その階段を上ると、2階部分があり、1階部分の
聞きたいことがどんどん増えてゆく妹を
ソンギョンも向かえ合わせになる場所にある座布団に腰を下ろす。
2人ともに無言で向かい合う…
しばらくして、口火を切ったのは、ダオンであった。
『ヘジョの話からしてもいいか。』
ダオンは、ソンギョンの目をしっかりと
『ヘジョはそなたと都河港へ出かけた
ソンギョンの目から涙が止まらず、次兄の顔が見えぬ程に流れていた。
ヘジョが亡くなってしまったことが、もう会えないことが、理解ができぬではない…
が、分からないのだ。
分かりたくない…
と心のどこかが拒否をしている。
分からない…
自分の感情に
ひとしきり泣くと、今度はヘジョとの思い出が溢れてきた。
ヘジョに来年の正月に贈ろうと選び縫っていた、テンギ(髪飾り)の赤い
以前ソンギョンがジョンウからもらったテンギを酷く欲しがった。
しかし、絶対に譲ってやれぬテンギであった。
妹にとって大好きな姉が持っている物は全て光輝くのである。
ヘジョはソンギョンを困らせるようなせがみ方はしなかったが、そのテンギを見るといつも羨ましい…
と顔に書いてあった。
ソンギョンはそんな妹の為に、自分とお揃いのテンギをあつらえ始めたのだ。
ソンギョンは刺繍や縫い物が得意で、ソンギョンが作れば店へ出せそうな立派なものが出来上がる。
特に刺繍が得意で、よく身近な人に一針一針刺しては贈っていた。
もう少しで出来上がる予定のヘジョを思って刺していた
ヘジョへの想いを
ソンギョンが泣き止むまでしばらく黙って泣くままにしていたダオンが、ソンギョンが少し落ち着くのを待って、次の話を投げてきた…
『ジフが先ほど、ソンギョンに訴えていたであろう?その話だが…ソル公主の話なのだ。ソル公主が、リウ殿のお目にとまって…リウ殿の帰国と共に陽国へ参ることが決まっておる。その話であったのだ。』
頭を
ソル公主の話をした時から、
やっと息をしたかと思われるような様子のソンギョンは、カッと次兄を力の宿った目で見つめ、
『今…何とおっしゃいましたか…?…』
と聞き返す…
『ソル公主がリウ・ハオレン様に伴われて陽国に参るのだ。10日後であったはずだ…。』
とダオンは、ソンギョンが反応したので、いくばくかの
ソンギョンは、衝撃でまだ何も体が反応しなかっただけである。
ソル…
ソルが…
ソルが陽国へ…
陽国へ行くのね…
リウ様と…!?
陽国…!?
やっと繋がった…
が、ソンギョンの中で何かがぽんと爆発した。
急に席を立ち上がるソンギョンに、ダオンは慌てる。
『待つのだ!ソンギョン!どこへ参ろうとしておる!落ち着くのだ!そなたが動いたところで、何も変わらぬのだ!』
ソンギョンの手首を掴み、元の席へ座らせようとするダオンに
『お離しください、お兄さま!落ち着いてなどおれませぬ!私は必ずソルに会わなければならぬのです!ソルは私を必要としているはずです!行かせて下さいませ、ダオン兄さま!』
ダオンの手を振りほどこうと、腕を力いっぱい振るソンギョンに、絶対に離すまいと手に力を入れるダオン、座らせようとソンギョンの腕を下に引っ張るダオン、座らずにいられるよう足に力を入れるソンギョン…
互いに一歩も引けぬ
『先ほども伝えたであろう!そなたには何もできぬのだ…。父上と母上、兄上もそなたがそのような状態になると分かっておったゆえ、部屋に留め置いたのだ。ヘジョの二の舞にはなって欲しくないのだ!
ソンギョン、ダオン、両者が肩で息をする音だけが部屋に響く…
2人の息が整い始めた頃に、聞き慣れた声が聞こえてきた…
『やはり、ここであったか…』
ソンギョン、ダオンが声の聞こえた方へ、すなわち2階へ続く階段へと目を向けると、そこには長兄のミギョンが立っていた…
『ソンギョンが見当たらぬゆえ、屋敷が大騒ぎだ。屋敷に戻り、父上と母上を安心させてやれ、ソンギョン。ソンギョンとて、皆の大切な存在なのだ。ヘジョの話は聞いておろう?皆が神経質になるのは、理解できよう。屋敷にお祖父様まで駆けつけておるぞ。どうなっておるのか、察するな?帰るぞ。』
ミギョンが
と、ソンギョンは落ち着き、ダオンも落ち着いた。
ミギョンは、ソンギョンの手を握り歩き始める。
ダオンとすれ違う時に、ダオンの肩をポンポンと軽く叩く。
ミギョン、ソンギョン、ダオン、の順に階段を降り、小屋の外へ出て、歩き始める。
3人は無言であった…
無言でただ歩き続けた。
林を抜けてしばらく歩くと、大きな通りに出たところで洪家の
ソンギョンは輿に乗り、両兄は輿を挟んで
屋敷へ着くと輿の戸が開けられる前に、門から母が転げるように飛び出してきた。
酷く心配していたのが、身なりから見て取れた…
兄弟も使用人も屋敷の者は誰も、毛筋ひとつ乱れた姿を見たことのないはずの母が、髪を振り乱し、チマ(スカート)にも泥汚れとシワがある姿で、門から転がり出て、輿から降りたソンギョンをいの一番に抱き締めた。
ソンギョンは、そんな母を見て…
ただ、ぽつりと
『ただいま戻りました。』
とだけ、伝えて母が気が済むまで大人しく抱き締められていた。
父もソンギョンの姿を確認しに急いで部屋からでたのであろう…
履き物も履かず、ポンソ(靴下)のままでソンギョンの元へ駆けてきた。
ソンギョンの心は両の親を見て、自らの
両親は先日、娘を失ったところであり、閉じ込めていた後ろめたさはあるとは言え、また娘がいなくなってしまったのである。
『お父様、ただいま戻りました。』
父と母に抱き締められていると、父の肩越しに祖父の姿があった。
祖父に
ソンギョンはこの日、自身の存在の重さを改めて思い知った。
ソンギョンお嬢様がお屋敷から密かに外出され、お部屋に見当たらず、お屋敷中が大騒動になった翌日、ソンギョンお嬢様の祖父、チャン・ヒョイル様がお嬢様をお訪ねになられました。
お嬢様のお部屋で一刻ほど過ごされてから、屋敷の誰にも会わずに、さらりと吹いた風のようにお
人払いをされていたので、私にはお話の内容が分かりませんが、次の日ヒョイル様がソンギョンお嬢様をお迎えにみえて、お二人でお出掛けになられたので、お出かけのお約束をされていたのだと推測されます。
お屋敷では、ご主人様も奥様も強く私の同行を望まれましたが、ヒョイル様の強い
私もご主人様ご夫婦同様、何やら
いつもは余程のことがない限り、私のお話に耳を傾けてくださいますが、今回はお聞き入れ頂けず、更に更に不安だけが膨らんでいきました。
この時、私のような者の不安からくる直感が当たらなければいい、そう考え、願っておりました…
ヒョイルもヘジョの事件以来、何やら嫌な胸騒ぎを覚えていた…
数年前に引退をし、
胸騒ぎの原因は、ソル公主とシムソ君の父であるムアン大君とソンギョンの父ジュギルがジフの父テウンと、我が次男ノギョルと何やら
4人はかねてより、家族ぐるみで仲が良く、おまけに幼少の頃より
その4人が何やら
一見すると、ただの幼なじみが寄り集まっているだけに見えなくもないが…
ヒョイルの
息子たちに問いただすには、もうしばらく手の者たちに探らせて、事を
あの事件以来、
と、どこからかソンギョンの話が噂の種になっていた。
これ以上、騒ぎを大きくせぬ方法を探っていたヒョイルは、かなり
ソンギョンを伴い、
ヒョイルはかねてより、策のあらましをドンウに相談し、ジョンウとジフに既に動いてもらっていた…
ヒョイルの計画は、こうである…
@ドンウに
(必ず
@ジフに口が固く、働きのいい者を集めてもらっておく。
(こちらも
@ソンギョンには知らせるが、必ず
ソル公主を助け、ジフと共にしばらく目のつかぬ場所で密かに暮らせる様に時間を
と言う計画であった。
失敗に終わった
ヒョイルはドンウにまず協力してもらう説得から始めた。
ドンウは始め、話すらまともに取り合おうとはせず、自身の話はおろか、息子を巻き込むことにも大反対をし、話を聞いてもらうことから始めなければならない
世間には、
王朝への不満はかねてより、
先の
更にソル公主の話も重なれば、人民の怒りは王と世子へ
そうなれば、また流さなくていい血が流れ、人々の心はすさみ、鮮国は更に
息子たちが何を
子が笑顔で無事に育つことは、
国が混乱に
ヒョイルは、根気よくドンウに何度も頭を下げたのである。
~
【七夕の夜に降る、織姫と彦星の涙。涙の種類は諸説あるとされる。筆者は、別れを惜しむ涙を推したい。】
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